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 東京・国立市で完成間近にもかかわらず解体が決まったマンションについて、12日、国立市長が議会で「非常に遺憾だ」と表明しました。

■マンション解体 市長「非常に遺憾だ」

 国立市役所前に来ています。これから行われる議会において、マンション解体についての追及が行われるということです。

 今週、住民の間に衝撃が走った完成目前のマンション解体の決定。

 なぜ、こんな事態が起きてしまったのか。市議会では市長の責任を追及する声が上っています。

国立市 小川ひろみ議員
「近隣の住民も被害を受けていますから、二人三脚で開発事業を進めてきたのも国立市です。協定を結んでやってきたのも国立市です」 国立市 永見理夫市長
「条例上の適正を期すために指導してきたのが市です。二人三脚で開発事業を進めてきたという今の発言は誤りですので、訂正していただきたい」

 気色ばむ市長。さらに、こう釈明しました。

永見市長
「私どもは、条例・法令に基づいて、適正な指導と適正な手続きをもって進めてまいりました。この積水ハウスの“やり方”というのは、 非常に遺憾だと思っています」

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■急転直下の解体決断…“寝耳に水”

■急転直下の解体決断…“寝耳に水”

 そもそも国立市はマンションが建つことによる景観への影響について、どのように考えていたのでしょうか?

 国立市が発行している基本計画によると、富士山の眺望に関して「周辺の建築物が富士山への眺望を阻害しないよう取り組みます」という文言が記載されています。

 では市長が言う、業者への適正な指導とは、どのようなものだったのでしょうか。

国立市 都市整備部長
「事業者に対し、富士見通り周辺からの富士山への眺望を周辺の建築物や住宅地の連続性に配慮し、高さや建物ボリューム感の低減を検討することとの指導書を交付しています。ですので、富士山への眺望を配慮するという指導も行っている」  しかし、問題のマンションによって富士見通からは富士山が半分隠れてしまうことに…。

 そして、急転直下の解体の決断。市長にとっても寝耳に水だったといいます。

永見市長
「突然、このような中止・廃止の届け出を受けました。それで積水ハウスに対して、この内容はどういうことかと問い合わせましたが、文面以上のものは得ることができなかった。そのうえで、きのう、突然ホームページにこのような内容のものが出たということです」  積水ハウスは、11日に解体決定の理由をホームページで公表しました。 積水ハウスホームページから
「地域住民の皆様及び国立市とも十分な協議を重ねてまいりました。その中で2回に渡る設計変更を行い、弊社としても地域の皆様に配慮した設計を目指しました」  手続きや法令上の不備はないとしたうえで、富士山の眺望に与える影響を再認識したとして、事業の中止を自主的に決定したと説明しています。 積水ハウスホームページから
「ご契約者様には多大なるご迷惑をおかけいたしましたことを改めて心よりお詫び申し上げます」

 国立市の永見市長は、こう述べました。

永見市長
「(今後は)解体工事に直面するわけです。その影響というのは必ずあるわけです。ですから、私どもも、これに対しては、ちゃんと住民に説明するように丁寧に、それから今後の進捗(しんちょく)においては、丁寧な対応をするようにと、きょう文書を持って積水ハウスには要請をしている」

(「グッド!モーニング」2024年6月13日放送分より)

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