来年1月で発生から30年となる阪神大震災で、がれき処理などの際に飛散したアスベスト(石綿)の健康被害が後に判明した問題について、兵庫県保険医協会が県内の医療関係者にアンケートした結果、約4割が「被害者が今後増加する」と考えていることが分かった。協会が12日、記者会見で明らかにした。
吸引した石綿の体内潜伏期間は平均40年とされ近年発症する恐れがあるが、アンケートでは半数超が被害の発生を「知らない」と答えた。協会は国や自治体による被害把握や情報発信が不十分だとして実態調査を求めている。
協会は開業医や勤務医らで構成され、アンケートには306人が回答した。被害者の数が今後どうなると考えるかとの質問に「増加する」と答えたのは39.5%。「多少増えてもそれほど多くない」は20.9%で、他は「分からない」などだった。
石綿は断熱性や耐火性に優れる建材として普及したが、吸い込むと中皮腫や肺がんを引き起こす恐れがあることが判明し、使用が規制された。協会は会見で「がれき処理などに関わり、被災地にとどまった人は専門の石綿検診を受けてほしい」と呼びかけた。〔共同〕
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