銅や鉄を盗まれていた会社が、執念の張り込みで不審者を捕まえました。その一部始終をカメラが捉えていました。
■「自分たちで泥棒を捕まえよう」確かな計算
価格の高騰を背景に、相次ぐ銅線などの金属窃盗事件。防犯カメラが捉えたのは、資材置き場で銅や鉄くずなどを物色する男の姿です。 被害者「何してます?何してます?」
「逃げたって無駄だから」 男
「勘弁して…」
男の身柄確保に結びついたのは、「絶対逃さない」という被害者の執念でした。
現場となったのは、千葉県柏市の通信設備の工事を請け負う「エスエイチエス」の資材置き場です。
エスエイチエス 鈴木秀人社長「県道に面したここに、盗りやすいといえば盗りやすいが、ここに置いている。現場での産廃クズとか鉄が多かった。見る人によっては、“お金”にしか見えない」
「(Q.(被害額は)いくら?)50万円ぐらい」 被害に遭ったのは、先月27日と今月3日の2回。保管していた銅や鉄などの廃棄物が盗まれたのです。鈴木社長は防犯カメラを確認していました。 鈴木社長
「白い車がとまって、中に鉄や銅を入れ込む姿を(防犯カメラ)で見た時は、一瞬サーッときました」 今月3日未明、会社の前に止まった1台の白い車。運転していた男は車を降りると、車のバックドアを開け放ち、会社の敷地内へ入っていきます。
資材置き場の銅線や鉄くずを慣れた手つきで車の荷台に運び込むと、何かを察したのか一度、運転席に戻ります。
すると、その直後、車のすぐ脇を巡回中のパトカーが通り過ぎていきました。男は、パトカーをやり過ごすと、再び金目になりそうな金属を車に運び入れ、立ち去りました。犯行時間は、わずか“2分半”の早業でした。 鈴木社長「悔しかったです。悔しいといえば、悔しかった。自分たちの力で捕まえようという気持ちが強かった」 “自分たちで泥棒を捕まえよう”と決意した鈴木社長。そこには、確かな計算もありました。
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■社長「怖いなか、頑張ってくれた」■社長「怖いなか、頑張ってくれた」
先月27日と今月3日の2週にわたって続いた犯行は、いずれも月曜日の午前0時過ぎでした。再び犯行があるとすれば1週間後の月曜日とにらみ、その瞬間を押さえることにしたのです。 鈴木社長「当日は、この部屋を真っ暗にして、ずっと私は8台のカメラを見ていた。仲間の2人は道路の向かいで自分の車で待機していただいて」 今回の作戦で社長が声を掛けたのは2人。社長は社内で防犯カメラをモニタリングし、スタッフ2人は会社の向かいで車の中から見張りをすることにしました。 そして待つこと40分。会社の前に防犯カメラに映っていたのと同じ白い車が止まると、男は資材置き場の銅板や鉄くずを車に運び入れていきました。 社員
「今、入れました。行きますよ?」 社長
「行ってください」 「何してます?何してます?」と、急いで男の元に駆け寄る会社のスタッフ。社長は警察に通報した後、現場に急行しました。 男
「勘弁して…」 スタッフ
「勘弁しない」 社長
「勘弁してじゃないよ。何回やっているの、お宅?すみませんじゃないでしょ。逃げたって無駄だから。何度目、これで?全部映っているんだから」 男
「3回」 社長
「3回来たんだ」 神妙な面持ちで盗みを働いたことを認めた男は、その後、駆け付けてきた警察官に連行されました。 鈴木社長
「僕ひとりでは到底無理でした。僕に意地があったとしても、ひとりでは成し遂げられなかった。みんなよく頑張ったと思う。怖いなか、頑張ってくれたと思う」
(「グッド!モーニング」2024年6月12日放送分より)
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