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 11日は列島各地で気温がぐんぐん上昇し、今年最多の真夏日の地点を記録しました。専門家は、今年の夏は去年よりさらに暑くなる可能性を指摘しています。

■「梅雨の前に夏」 172地点で真夏日30℃超

 11日、東京都心は今年一番の暑さとなりました。 街の人
「この時期で30℃になることは、今まであまりなかったと思うので、異常気象を感じる」  東京に来たばかりの新入社員は、早速“洗礼”を受けたようです。 兵庫県からの新入社員
「めちゃくちゃ暑い。コンクリートで跳ね返ってくるのがないので。東京の夏って、こんな暑いんだなと思い知らされている」  11日、全国で30℃以上の真夏日を記録したのは172地点。25℃以上の夏日は719地点で、真夏日も夏日も、今年最多になりました。  梅雨は、どこへ行ってしまったのでしょうか?関東甲信は平年「6月7日ごろ」梅雨入りしますが、すでに5日遅れています。 街の人
「(Q.梅雨入りが遅れているが実感は?)確かに、そんな気がする」 街の人
「日々暑いので、梅雨の前にもう夏になっちゃうのではという感覚」

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■梅雨入り“最遅” 2007年は10月まで残暑

■梅雨入り“最遅” 2007年は10月まで残暑

 長年、気象庁に勤務していた気象予報士の饒村曜氏は、こう話します。 饒村氏
「梅雨入りがなかった年は今まで一度もないが、今年は梅雨入りも分からないという年になるかもしれない」  関東甲信地方で梅雨入りが最も遅かったのは、「2007年6月22日」。この年、首都圏の水がめ、利根川上流のダムの貯水量は、8つのダムが稼働した1992年以降、最低(当時)を記録しました。  8月は記録的な暑さとなり、「猛暑日」が流行語となったこの年、残暑は10月上旬まで続きました。 饒村氏
「昔の人は『梅雨は恵みの雨』と考えていたので、この期間に雨が少ないと結構、農作物に影響が出てしまうということになる」

 梅雨入りの遅れで、今年も暑くなるのでしょうか?

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■サクランボに異変 “双子の実”次々と…

■サクランボに異変 “双子の実”次々と…

 一方で、去年の暑さの影響が今、農作物に影響が出始めています。

 山形県産のサクランボをふんだんに使ったパフェを提供する都内のフルーツパーラーです。冷蔵庫を見せてもらいました。

フルーフ・デゥ・セゾン
星野利江子店長
「これが双子のサクランボ」
「(Q.大きさは変わらない?)(大きさが)変わらないものもあれば、差が出ているものもあるのが“双子果”」  本来なら一つひとつ丸々と育って出荷されるサクランボですが、2つの実がくっついた状態で育つ「双子果」が目立ってきているのです。 星野店長
「(今年は双子果が)本当に多いみたい。(通常のサクランボの)金額が今、すごく上がっている」  果実としての出荷が難しい双子果を、店ではあえて仕入れているといいます。 星野店長
「うちは加工して、ジャムとかパフェに使っているので、こういうのを山形の農家から送ってもらっている」

 なぜサクランボは“いびつな形”になってしまったのでしょうか?

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■「今まで経験ない」農家悲鳴 猛暑影響?

■「今まで経験ない」農家悲鳴 猛暑影響?

 生産量日本一を誇る山形県の農家を取材しました。 こんた農園 今田光博さん
「今までは多少、双子果が出ていた。ただ、こんなに量が出ているのは、今まで経験したことがない。(現状では)全体平均すると2割ぐらい」  やはり、双子の果実に悩まされていました。その原因は? 今田さん
「去年の猛暑が原因だと言われている。園地を見ていると、(畑の)南側と西日が当たる西側に双子果が多い」  猛暑の影響で、めしべが2つになってしまう現象が発生。そのため、1つの花から2つの実ができてしまったのです。  傷みやすくデリケートな果物で、栽培に手のかかるサクランボ。収穫が終わる来月上旬ごろに、来年の収穫に向け、暑さ対策を始めるといいます。 今田さん
「(対策は)スプリンクラーを使って、畑に水をまいて地温を極力下げる。草をある程度刈らずに土の保湿と照り返し等ないように極力したい」

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■“黒潮スーパー大蛇行”去年以上の猛暑?

■“黒潮スーパー大蛇行”去年以上の猛暑?

 農作物に影響をもたらす厳しい暑さ。今年の夏は、どうなるのでしょうか? 三重大学大学院
気象・気候ダイナミクス研究室
立花義裕教授

「もしかしたら、去年以上の暑さかもしれない。2つの理由があって、偏西風の激しい蛇行によって暑くなるのが1点目。2点目は、日本を取り巻く海流が異常であるということ。“黒潮スーパー大蛇行”と言ってもいいかと思う」  南から温かい海水を運んでくる黒潮の蛇行は元々、関東沖まででしたが、今年は東北北部まで北上する“黒潮スーパー大蛇行”が起きているといいます。  さらに、偏西風が日本列島を避けるように北側を蛇行しているため、南からの温かい空気が日本をすっぽりと覆う可能性があります。 立花教授
「海からも暑さをもたらし、気象的にも暑さをもたらすので。下からも上からも暑さをもたらすので、涼しさをもたらす原因は何もない」

(「グッド!モーニング」2024年6月12日放送分より)

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