学校給食への理解を深めてもらおうと、愛知県春日井市の給食センター「市東部第1調理場」で3日、市民に給食を試食してもらう「かすがい給食食堂」があった。個人で参加できるイベントは初めて。サボテンにきくらげといった春日井産の食材を使った給食に参加者から「おいしい」との声が上がった。
主催の公益財団法人「春日井市食育推進給食会」によると、調理場では団体の見学を年間700人ほど受け入れてきたが、コロナ禍で中断した。その後再開したものの、人数が戻らなかった。ならば個人でも参加できる機会を設けようと、新たに企画したという。
この日は63人の応募の中から抽選で選ばれた20人が参加した。調理現場を見学したり、映像を見たりして、給食についての理解を深めた後、いざ実食。サボテンコロッケにきゅうりときくらげのあえ物と、1日が市制記念日だったことにちなみ、春日井にゆかりのある食材を使った献立で、同日に市内の小学校で提供されたものと同じものだ。
名産品のサボテン、食べてみたら…
市内に住む土屋幸子さん(43)は母と娘と親子3代でイベントに参加した。給食自体への興味に加え、子どもにアレルギーがあるため、どんな環境で調理されているのか知りたかったという。
サボテンは春日井市の特産品だが、市民でもなかなか食べる機会がないと話す土屋さん。コロッケを口にすると「おいしい」と笑顔に。「小学生でも食べやすいように調理方法や味付けが工夫されている」と感心していた。
長江泰典・事務局長は「今の給食のおいしさを味わってもらえて良かった。今後もこうした機会を設けたい」と話した。(富岡崇)
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