大阪公立大学で保管されていたおよそ160人分の致死量に相当する「毒物」が紛失していた問題。
28日、窃盗の疑いで卒業生の男が逮捕されました。
■およそ160人分の致死量
大阪公立大学は今月16日、大阪市住吉区にある杉本キャンパスの工学研究科で所有していた「毒物」に指定されている青酸カリと青酸ナトリウムを紛失したと発表しました。
紛失したのはいずれも25グラムでおよそ160人分の致死量に相当します。
毒物の存在を最後に確認したのは去年6月で毒物の保管管理が問題視される中、大学は今月17日に盗難届を提出し警察が捜査に入りました。
■大学院を卒業した男が自供
事件が動いたのは27日。
警察が研究室に出入り可能だった卒業生や在学生など関係者に話を聞いていたところ、ことし大学院を卒業した男が自供をしたのです。
警察は滋賀県甲賀市に住む製薬会社勤務で大阪公立大学大学院をことし3月に卒業した30歳の男を窃盗の疑いで28日に逮捕しました。
■「父親を殺害する目的で盗んだ」
警察によると、男は在学中だった去年8月、研究室で青酸ソーダが入った瓶からスプーンで2杯分を盗み袋にいれて持ち帰ったということです。
青酸カリや残りの青酸ソーダについては、研究室内で捨てたと話しています。
また盗んだ動機については「父親を殺害する目的で大学の研究室から青酸ソーダとよばれるシアン化ナトリウムを盗んだことに間違いありません。父親に就職のことで色々言われるのが嫌だった」と話しています。
■盗まれた毒物発見できず
警察は27日に男の自宅や実家などの関係先を捜索しましたが、盗まれた青酸ソーダについて発見できなかったということです。
男は盗んだ青酸ソーダについても「父親を殺害しようと思ったけど、思いとどまってやめた。使わなかったので捨てました」などと話しています。
警察はいつ、どこで毒物を捨てたかなど男の供述の裏付け捜査を急いでいます。
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