2023年4月の東京都江東区長選を巡る公職選挙法違反事件で、東京地裁は28日、柿沢未途元衆院議員(53)=有罪確定=の元私設秘書で、同法違反(買収)の罪に問われた後藤周被告(38)に求刑通り罰金50万円の有罪判決を言い渡した。野村賢裁判長は「民主主義の根幹である選挙の公正がゆがめられた程度は大きい」とした。

判決は、柿沢元議員が自らの地盤固めのために前区長の木村弥生被告(58)=同法違反罪で公判中=を区長選に擁立し、対立陣営の切り崩しを図ろうとしていたと指摘。後藤元秘書はこうした情勢を理解し「区議らに渡した現金に支援依頼や選挙運動に対する報酬の趣旨を含むと認識していた」と認定した。

その上で、後藤元秘書が現金の受け渡しなどにも関わっていた点を踏まえ、「必要不可欠な役割を果たし、刑事責任を軽くみることはできない」と結論づけた。

判決によると、後藤元秘書は柿沢元議員らと共謀し、23年2月ごろ、区議8人に現金計160万円を提供したり、提供を申し出たりするなどした。

後藤元秘書は1月に同法違反罪で罰金50万円の略式命令を受けたが、これを不服として正式裁判を請求した。弁護側は元秘書が現金提供時に区長選について言及しておらず、同時期に実施された区議選の陣中見舞いだったなどとして無罪を主張していた。

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