能登半島地震で海底が隆起した石川県輪島市の輪島港について、国土交通省北陸地方整備局は、海底を掘削する応急的な浚渫(しゅんせつ)の作業を6月末までに完了する見通しと発表した。約200隻が停泊する県漁協支所前の船着き場は浅くなったままで今後、県が作業する。
整備局によると、地震前に水深3~4メートルだった輪島港は、浅い所で1メートル前後と1~2メートル近い隆起を確認した。整備局が県に代わり、船が航行できる水深2~2.5メートルまで浚渫を進めている。仮設の桟橋が設置された付近や、北側の岸壁前を既に終えており、西側の輪島崎の物揚場前でも6月末までに終える。 漁を再開できるようになるかは見通しが分かれる。行政側は「応急的な掘削が終われば、そこに船を移動させ、出漁もできる」とみる。一方、漁業者側は浚渫を終えた場所を、浅くなったままの船着き場から船を移動させる場所とし「ほかの船が泊まっていたら荷揚げは難しい」という。再開できても一部とみる。 被災の規模を踏まえて浚渫を国に委託してきた県の役割が増す。既に船から荷揚げしやすいように北側の岸壁を削って低くする作業を終えたが、今後は船着き場で掘削を進め、6月末までに輪島崎の物揚場前に新たに長さ80メートルの仮設の桟橋を設置する。(井上靖史)
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