能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県の奥能登4市町で、土地の境界や面積を明確にするための地籍調査の進捗率が、全国平均を大きく下回る10%未満であることが14日までに、国土交通省の調査で分かった。自治体職員の不足に加え、土地登記への意識の低さなどが要因。境界や面積が分からなければ、今後の復興事業の遅れにつながる恐れがある。専門家は今後の災害に備え、全国の自治体に取り組みの強化を訴えている。 国交省によると、2023年3月末時点の全国の進捗率は52%。石川県は15%と低く、中でも奥能登地域は能登町で6%、輪島、珠洲両市と穴水町で1%にとどまった。 奥能登の市町関係者らによると、調査業務を担う職員の少なさに加え、先祖代々の土地を引き継ぐため、相続や近所同士での土地取引の際、登記変更する意識が希薄といった地域特有の事情が背景にあるとみられる。 珠洲市の担当者は「これまで調査を始めようという議論にならなかった。ノウハウもない」と打ち明ける。 地籍調査が未実施の場合、土地の買収が難航する。
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