死刑執行を巡り、国が死刑囚に当日まで執行を告知しない現在の運用は憲法に違反するなどとして、死刑囚2人が当日告知の執行に従う義務がないことの確認や慰謝料を求めた訴訟の判決が15日、大阪地裁であった。横田典子裁判長は原告の請求を退けた。
判決理由で、横田裁判長は「死刑執行の一部の運用を取り出し、従う義務がないと主張することは確定判決に変更を求めるもので許されない」と述べた。
刑事訴訟法は判決確定から6カ月以内に法務大臣の命令で死刑を執行すると規定。命令後は5日以内に執行すると定めているが、法律には告知方法に関する規定がなく、現行では拘置所長が執行の1〜2時間前に死刑囚に告知する運用となっている。
原告側はこれまでの弁論で死刑執行の前日までに本人へ事前告知した例が過去に複数あると指摘。執行直前に告知される運用では不服を申し立てる猶予がなく、適正手続きを保障する憲法31条に違反するなどと主張していた。
国側は過去に事前告知を受けた死刑囚が自殺したケースを踏まえ、現在の運用に改めたと説明。「円滑な死刑執行のために合理性がある」と反論した上で、死刑囚が事前に死刑告知を求める法的権利はないとして請求を却下するよう求めていた。
判決後、法務省は「国の主張が受け入れられたものと認識している」とするコメントを出した。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。