天皇、皇后両陛下の長女愛子さまは11日、東京都千代田区の国立公文書館を訪れ、春の特別展「夢みる光源氏――公文書館で平安文学ナナメ読み!――」を視察した。

 主催者の願い出を受けたもので、単独の公務は初めて。

 同展は、「夢」をテーマに、平安時代に書かれた物語文学の傑作「源氏物語」注釈書の史料など約40点を展示している。

 愛子さまは同館と東北大学図書館にしか所蔵されていない貴重な江戸時代の注釈書「窺原抄(きげんしょう)」を前に先行研究との関係を尋ねるなど、熱心に見て回った。説明者によると、「夢を通して平安貴族の心のあり方に触れることができました」と感想を語っていたという。

 愛子さまは学生時代から日本の古典文学に関心を寄せ、大学時代には専門的に研究。今回の視察で説明役を務めた国立公文書館の星瑞穂調査員は「造詣が深く、鋭い質問にドキリとしました」と明かした。

 星さんによると愛子さまは、窺原抄の前では「湖月抄(先行研究)との関係はどうなのですか」と質問。星さんは「実はまだ研究段階なんです」と答えた。「更級日記」に関する史料では愛子さまが「ほかにも夢が出てくるところがありましたね」と話し、星さんは「そういえばそうだったなと思い出しました」と記者団に振り返った。(中田絢子)

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