(左)山崎怜奈さん(写真:マウントケープ提供)(右)『ドラゴン桜』(漫画:©︎三田紀房/コルク)記憶力や論理的思考力・説明力、抽象的な思考能力など、「頭がいい」といわれる人の特徴になるような能力というのは、先天的に決められている部分があり、後天的に獲得している能力は少ないと考える人が多いのではないでしょうか。その考えを否定するのが、偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠氏です。漫画『ドラゴン桜2』(講談社)編集担当の西岡氏は、小学校、中学校では成績が振るわず、高校入学時に東大に合格するなんて誰も思っていなかったような人が、一念発起して勉強し、偏差値を一気に上げて合格するという「リアルドラゴン桜」な実例を集めて全国いろんな学校に教育実践を行う「チームドラゴン桜」を作っています。そこで集まった知見を基に、後天的に身につけられる「東大に合格できるくらい頭をよくするテクニック」を伝授するこの連載(毎週火曜日配信)。連載を再構成し、加筆修正を加えた新刊『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』が、発売後すぐに3万部のベストセラーとなっています。第115回は元乃木坂46で、慶応大学出身の山崎怜奈さんにお話をうかがいました(前後編の後編)。

勉強のためにアイドル活動を休む

『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら電子版はこちら

低い成績から、誰もが驚くほどの成長を遂げ、東大に逆転合格した生徒たちの勉強ノウハウを紹介する本連載。今回は特別編です。

アイドルグループの乃木坂46のメンバーとして活躍する一方で、学業を両立させ、慶応義塾大学を卒業。現在もさまざまな番組でマルチに活躍する山崎怜奈さんに、前回に引き続き、大学受験に関するお話を伺いました。

西岡:今回は大学受験の意義についてお話を伺いたいと思います。アイドル活動をしながら、受験勉強もしていたとのことですが、勉強のためにアイドル活動をお休みしていた期間もあったのですよね。

山崎:そうですね。主要都市をまわってライブをする夏の全国ツアーが、受験の追い込み時期と重なっていたので、高校3年生の6月から3カ月間お休みをいただきました。

西岡:逆に言うと、それ以外の期間はずっと高校生活とアイドル、そして「受験生」のすべてをこなしていたわけですよね。大変でしたよね?

山崎:すごく大変だった記憶はあります。それこそ、高校時代は、休み時間に課題をやったり、休んでしまった分のノートを借りたり、先生にも質問をしにいったりしていました。アイドルとしてのお仕事中も、移動の時間や休憩時間を使って、ずっと単語帳を見ながら勉強していました。

西岡:途中で受験勉強をやめようとは、思わなかったですか?

山崎:不思議と途中でやめようと思ったことはなかったですね。自分でやる前から可能性をつぶすのは嫌だったんです。

やってもいないのに、最初から諦めるという選択肢は、自分の中にはありませんでした。逆に『やってみてダメだったらやめよう』という気持ちでしたね。

アイドルも受験も今しかできない

西岡:その原動力はどんなものだったのでしょうか?なぜそこまでして受験をされたのでしょうか?

山崎怜奈さん(写真:マウントケープ提供)

山崎:運を無駄にしたくない、という感覚が強かったのかもしれません。いい環境で働ける縁・タイミングは得がたいものですし、行きたい大学に出会う縁・タイミングもまた、なかなか得られないものだと思います。

私の場合は、そのタイミングが同時に来たんだろうな、と考えていました。アイドルも今しかできないし、大学受験だって今しかできない。だからこそ、とにかく両方、全力でやってみようと思った、というのが素直な感覚なのかなと思います。

西岡:ドラゴン桜でも、『運に乗れ』という言葉が出てきます。本当は恵まれた縁があるのに、それに気が付いていない生徒に対して、桜木先生が声を掛けるのです。

※外部配信先では漫画を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

(漫画:©︎三田紀房/コルク)(漫画:©︎三田紀房/コルク)(漫画:©︎三田紀房/コルク)

西岡:桜木先生が言いたかったのは、「縁があったり、チャンスがあったりしたら、とにかく飛び込んでみるべきだ」ということだったのだと思います。その点を、山崎さんは非常に強く意識されていたのだろうな、と。

山崎:そうかもしれません。また、私は「ダメでもいい」とも思っていました。受験で落ちたとしても、それもまたいい経験になるのかな、と。

西岡:なるほど。山崎さんとしては、受験に落ちるのは怖くなかった、ということでしょうか。

山崎:もちろん落ちたくないとは思っていましたよ。でも、アイドル時代は、人と比べられたり、ダメだと思われていると感じるのは日常茶飯事だったんですよね。

いろんな競争があって、その中で評価されることは当たり前です。逆に、「受験に落ちたからって、自分のことを評価する1つの分野がダメだったということでしかない」と感じていたように思います。

この連載の一覧はこちら

西岡:よく、受験に落ちたときに、「自分のすべてがダメだと、レッテルを貼られた気分になる」という人がいますが、そうではなかったわけですね。

山崎:受験に落ちるというのは、アイドルとしての自分の感覚で言えば、「ファンの方と相性が合わなかった」「アンチと自分が合わなかった」みたいな感覚でしたね。

実際に受験して得た学び

西岡:山崎さんならではの感覚ですね。実際に受験してみて、どうでしたか?

山崎:私は、AO入試(現在の総合型選抜)と一般入試の両方を受けたのですが、楽しかったですよ。センター試験(現在の共通テスト)の会場の雰囲気は今でも覚えていますし、あれは受けないとわからないと感じました。

また、AO入試の際に大学の先生とお話しさせていただいたのですが、それも私にとって非常にプラスな経験になったと思います。冷静に考えると、この年齢の若者が、何かの分野でトップを走っている大学の先生とお話しする機会なんて、なかなかないですよね。

西岡:受験自体も、楽しまれていたんですね。そういう感覚で受験をするというのはとてもいい発想だと思いますし、多くの若者に伝えたいことだなと思います。

受験勉強や、子供への教育など、西岡壱誠さんへの質問を募集しています。こちらの応募フォームからご応募ください。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。