高度なスポーツ技能を持つ人を教育現場で活用するため、文部科学省は、五輪やパラリンピックなどの出場経験者の教員登用を促す取り組みを始める。「特別免許状」の仕組みを活用するもので、13日に全国の教育委員会などに通知した。
特別免許は、教員免許を持っていなくても、博士号取得者やアスリートなど優れた専門性を持つ人に、都道府県教委が教科を限定して免許を与える制度。教員不足や教育現場の多様性確保のための方策として、文科省は近年、制度の活用を促している。2022年度は授与が計500件あった。
今回の特別免許の対象は、五輪やパラリンピック、耳が聞こえづらい人のスポーツ大会「デフリンピック」の出場経験者。文科省は近く、対象者のうち教職に関心のある人のリストや、研修のための教材を作る。また、公立学校で採用を決めた場合、教員定数を増やす措置も予定している。
文科省によると、今回の取り組みで、担当教員と協力して保健体育の指導をしたり、高校で競技能力の高い生徒への指導や部活動を担当したりする例などを想定している。
13日の閣議後会見で盛山正仁文科相は「アスリートの方には、専門知識や、そういう舞台に立つだけの経験や努力といった背景がある。いろんな力を生かして、学校の教育活動に参加してもらえることは、児童生徒あるいは他の先生にとってもプラスの効果があるのではないかと考えている」と話した。(山本知佳、島崎周)
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