日本航空大学校石川は11日、能登半島地震で休止していた能登空港キャンパス(石川県輪島市)での飛行訓練を再開した。操縦科3年生の6人が、順番に教官とともに小型の訓練機に乗り込み、奥能登の上空を飛行した。
元日の地震で滑走路や校舎、寮が損傷し、同校の学生たちは、学科や学年ごとに山梨県や北海道などに分かれて学んできた。6人は3月までの1年間、米国に留学して自家用機操縦の免許をとったが、帰国後は能登空港で訓練することができず、鹿児島空港で座学を中心に学んでいた。
訓練の再開を前に、浅川正人学長は安全第一と訓示した上で、「フライトすると、上空からブルーシートのかかった家や潰れた家、土砂崩れの様子、まだ震災の傷痕、爪痕が残っている。でも、着々と復興されてきています」と述べ、「君たちが頑張ることで、能登の地域の皆さんにも喜んでいただける。訓練再開、おめでとう」と続けた。
来月からは航空整備科の3年生8人も能登空港に戻ってきて、大型ヘリコプターの整備士の実習を始める。同じ日本航空学園が運営する日本航空石川高校でも、すでに野球部が戻ってきて練習を再開しており、サッカー部や女子バスケットボール部なども続く予定だ。
この日、操縦桿(かん)を握った赤尾拓哉さん(22)は「ブルーシートが緑の中に目立って点在し、崖が崩れてしまっているところもあり、地震の影響は大きいと思った」と上空からの景色を振り返った。栃木県矢板市出身だが、震災前からバス停などで会う地元のおじいさんやおばあさんに「頑張って」と声をかけてもらってきたといい、「訓練が再開できてうれしい。能登で訓練をすることが、みんなを勇気づけることにもなるといい」と話した。(上田真由美)
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