少子化の影響で、地域によっては、学校単位では部活動の維持が難しくなってきている。

 北海道教育委員会によると、道内公立中学校の生徒数は1986年度の約27万3千人をピークに減少傾向となり、2022年度には半分以下の約11万6千人となった。

 学校の統廃合が進んだ影響なども重なり、部活動の数も減少。道内の公立中学校(札幌市立をのぞく)の部活動数は、2015年度は3697部だったが、2022年度は3078部と7年間で約16%減った。また、「一つの学校ではチームが成り立たず、近隣校と合同で大会をめざす」などの例が増えているという。

 部活動のなかでも、団体で取り組む吹奏楽部への少子化の影響は大きい。

 北海道吹奏楽連盟によると、もともと人口密度が低い北海道は小規模校が多いこともあり、中学生の部では全日本につながる50人以内の「A編成」よりも、25人以内の「C編成」にエントリーする団体の方が圧倒的に多い。近年は、15人未満の団体も増えている印象があるという。

 部活動を巡っては、国主導で「地域移行」に向けた取り組みが各地で進んでいる。ただ、吹奏楽部は指導者や練習場所の確保のほか、楽器の維持・管理など他の部活動にはない独自の課題も多い。コンクールでは制度変更で今年から「地域バンドや合同バンドでも全日本に出場可」となった。時代に応じた対策や議論が進む一方、将来的な「吹奏楽人口の減少」への危惧は根強い。

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