10月12日、富山県砺波市の山あいを1人で歩いていた70代女性が保護されました。通りがかった男性は、女性の履く靴と、歩き方に注目して「とっさの判断」をとりました。

川端昌勝さん:「どこに行こうかわからなくなっている方だというのが一目でわかったので」

川端昌勝さん(54)
富山市のデイサービスセンターで介護福祉士をしています。

10月12日午前11時半ごろ、川端さんは施設の利用者とコスモスを見に、富山県砺波市にある「となみ夢の平スキー場」のさらに上の、展望台を訪れていました。

車での帰り道、山あいに向かって1人で歩く女性を見つけます。

川端昌勝さん:「ちょうどここを上から降りてきたところで、あの電信柱のあたりを歩いてらっしゃた。山菜でも採りに来ている方かもしれないというのもあるんですけど。介護シューズを履いてらっしゃったので『あ、違うな』という。まあこればかりは職業病みたいな。本当に見たらわかる」

女性が履いていたのは、転倒などを防ぐ高齢者向けの「介護シューズ」でした。

さらに―。

川端昌勝さん:「本当にトボトボと…。ありがちな(服の)裾をグルグルしながら歩かれていた」

服の裾をいじりながら歩く女性に違和感を覚えます。

名前は言えるが住所や生年月日はあいまい…

一歩踏み間違えれば転げ落ちてしまうような、斜面ぎりぎりを歩く女性。
道に迷った高齢者かもしれない―。
職業柄、ピンときた川端さんは、車を降りて”とっさの判断”をとります。

川端昌勝さん:「『どこ行かれる?』『どこから来られた?』って言って。『ちょっとそこまで』『ちょっとそこから』って。『今から砺波の町まで降りるよ。こんな歩いとっても大変だから一緒に行かんけ?』と言ったら『じゃあお邪魔します』と言って」

川端さんは、女性を最寄りの警察署まで車で送り届けました。道中に尋ねたところ、女性は名前は言えるものの、住所や生年月日はあいまいで、家族と一緒にコスモスを見に来ていたところ道に迷っていたといいます。

27日、川端さんに警察から感謝状が贈られました。

地域ぐるみのさりげない見守りで、高齢者やその家族が安心して暮らせる社会になってほしいといいます。

川端昌勝さん:「皆さんがこうやって介護のこととか認知症のこととか、理解が進んで、困っている方を見たら声をかけてあげられるようになっていただければと思います」

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