「蒸しあがりました~」
もちっとした食感の黒糖アガラサーに、鶏卵をたっぷり使ったチールンコウ。八重瀬町のカフェ、琉球菓子とお茶「koti(コチ)」では琉球菓子をすべて手づくりしています。
琉球菓子は、琉球王国時代に王家の祭事や接待などに用いられたもので、当時は100種類以上あったといいます。
「今残っている琉球菓子はごくわずか。残っているものでも存続の危機にあるということが、調べていくうちに分かって。私たちが次世代につないでいくために発信したりできないかと」
こう話すのは、沖縄の工芸品の販売などを行う「ゆいまーる沖縄」の鈴木修司社長。カフェを始めたのは、こんな思いからでした。
▽ゆいまーる沖縄・鈴木社長
「私たちは、琉球菓子を通して沖縄の暮らしの文化を伝えるというテーマを持っています。特に琉球菓子の場合は、旧暦文化と結びつくものがありますので」
旧暦8月15日の「中秋の名月」に、フチャギ(豆餅の一種)作りのワークショップが開かれました。
沖縄では、小豆をまぶしたフチャギをお供えする風習があります。この日の講師は、kotiで提供する琉球菓子のレシピの監修や調理指導を行う、津嘉山恵子さん。
琉球料理の調理法や味の継承に取り組む「琉球料理伝承人」として、沖縄の伝統的な食文化を伝える活動を行っています。
▽講師・津嘉山恵子さん
「私が小さいころは、おばぁのおうちでたくさんの行事に参加して。その思い出が今も残っているんですね」「ただ今の時代、なかなかみんなで集まることが少なくなって、行事もだんだん無くなっていって。無くなった料理もお菓子も結構あるので。それを残していきたいっていうのが一番にあって」
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