先月29日の朝7時ごろ、本島北部の大宜味村に住む40代男性と息子の高校生が、軽乗用車で中部の北中城村に向かっていたところ、乗せたはずのない“同乗者”を見つけた。
▽運転していた男性
「20分ぐらい走行したときに、何かが動いているなと思った。おそらく右タイヤの上あたりの位置にいたのではないか」
運転席の正面あたりをニョロニョロとうごめいていたのは、猛毒のハブ。
男性によるとこのハブは、一時、助手席側に回り込もうとはい回っていたが、それでも運転席で尻尾の先が見えず全身が出ていなかったことから、体長1m50センチはゆうに超えていたと話した。
男性は大宜味村の自然豊かな地域に住んでいるが、5年前に死んだハブを見かけて以降、ハブに遭遇したことはなかった。この日車に乗る前にはしばらく屋外で積み込み作業などをしていて、ばったり遭遇していれば身の危険があった。
ハブとの“ドライブ”中は窓を閉めて安全を確保しながら、なんとか途中下車願おうと、タイミングを見て何度もワイパーを動かしたが、器用にかわされ、降りてくれなかったという。
しかし最終的には体が伸びきったところで左ワイパーがヒット。住宅から遠い名護市のトンネル手前で降りてもらったそうだ。
▽運転していた男性
「普段車を停めているのは草むらなどではなく、玄関の目の前、舗装した場所なので、まさかハブと遭遇するとは思わずヒヤっとしました」
県のHPによると、ハブの毒はヒトの筋肉や血管を破壊する猛毒。咬傷被害は年々減少しているが、近年でも年間60件ほどの被害があり、1か月ほど入院する重症例も年間に数件報告されるという。
暑さがやわらぐ10月、11月にはハブの活動が特に活発になるため注意が必要だ。
ハブと遭遇したら…
ハブは自分の体長を大きく超えるようなジャンプはできず、離れれば攻撃されることはない。離れることが可能な場合は、県のHPでは、ハブと遭遇したら1.5メートル以上距離を置くようにすすめている。
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