国の文化審議会は9日、2026年の登録を目指す世界文化遺産の推薦候補に「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」(奈良)を選んだ。政府は25年2月1日までに国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦書を提出。ユネスコ諮問機関が現地調査して登録の可否を勧告、順調なら26年夏のユネスコ世界遺産委員会で正式に登録が審査される。
飛鳥・藤原は、天皇の宮殿跡である藤原宮跡(橿原市)や、極彩色壁画が発見された高松塚古墳(明日香村)など22の資産で構成。6世紀末期から8世紀初頭にかけ、日本で初めて中央集権体制に基づく宮都が誕生した過程を示す貴重な遺産とされる。
07年、将来の登録候補としてユネスコの暫定リストに記載された。文化審は23年も推薦の可否を協議したが「保護措置が十分でない」と指摘し、政府が推薦を見送った。地元自治体は保護強化のため史跡の範囲拡大などに取り組み、今年4月に推薦書素案を政府に再提出していた。
日本の世界遺産は、7月に「佐渡島の金山」が登録され、文化21、自然5の計26件となった。
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