客からの理不尽なクレームや迷惑行為を指す「カスタマーハラスメント」通称カスハラ…、先週のお盆休み、富山県氷見市で民宿を営む女将がカスハラの被害を訴えていました。その実態とは…。
あおまさ 青木栄美子「こちらのお部屋。そうなんです。本当ですね。これだとお客さん入れられないですよね。直すにしてもお盆なんで、今すぐは直せない。修理業者さんもお休みっていうことなんです…」
お盆休みの真っただ中、客室の破れたふすまを見せてくれたのは、富山県氷見市の温泉民宿「あおまさ」の女将、青木栄美子さん。
青木さんによりますと今月12日、宿泊客が帰り際「ふすまを破いてしまった」と謝罪してきたそうです。すでに修理代金はもらいましたが、部屋はしばらく使えなくなりました。
お盆休みの期間はこうした客の過失による被害が増える一方で、悪質なカスタマーハラスメントにも苦慮していると青木さんは訴えます。
サウナに併設されている水風呂では…。
あおまさ 青木栄美子さん「本来スタッフしか触れないところを勝手に触って全開にして、お水バーって出しっぱなしにしてしまったのかなって思うんですけど、そのせいで地下水が枯れてしまって、館内全部の水、トイレとかお風呂とか水が全部止まってしまって、それをまたそのお客様に怒られる」
夜中に大きな声、トイレで寝るなどの行為…
また、13日はこんな客も…。
青木栄美子さん「あるお客様が来るなり、すごく怒っていらっしゃって、理由としては思ったサービスが受けられない。海が近くにあるので、海に入ってそのまま濡れたまま砂がついたままお部屋に入ろうとする方が、やっぱりたくさんいらっしゃって」
この客は、その後夜中に大きな声を出したり、トイレで大の字になって寝ていたりと迷惑行為を繰り返しました。
僕らが余計にカスハラを感じる部分はあるかも…
青木さんは一連の出来事をSNSで発信。すると、多くの同業者から共感の声が寄せられたといいます。
一方、旅館やホテル側が宿泊を拒否できるよう去年、法律が改正され、施行されました。
カスタマーハラスメントに当たる特定の要求というのは、宿泊施設に過重な負担となり、他の宿泊客に対する宿泊サービスの提供を著しく阻害するおそれのある要求を繰り返す行為です。
改正された旅館業法では、新たに宿泊を拒否する事由が追加され、カスタマーハラスメントに当たる特定の要求を行う迷惑客に対して、ホテルや旅館の営業者は、宿泊を拒むことができます。
全国のホテルや旅館でつくる組合が行った調査によりますと、いわゆるカスハラの対応に苦慮していると回答した宿泊施設は全体のおよそ46%に上りました。
あおまさ店主 辻井隆雄さん「お盆期間中で、いろんなお客さんがいつも以上に来られるので、多分僕たちも神経を使ってるっていうところがあるので余計に(カスハラを)感じちゃう部分があったかなと思います」
あおまさ 青木栄美子さん「来たお客さんは喜んで帰ってもらいたいです。笑顔で楽しかったって言ってもらえることが私達も仕事なんで、よりいろんな価値観の方にお盆楽しんでいただけるように頑張りたいと思います」
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