野菜を供えて先祖を弔うお盆の伝統行事『ヤーサイ』が、16日、高知県宿毛市で行われました。

宿毛市平田町戸内(へない)の藤林寺(とうりんじ)で受け継がれている“野菜祭り″は、『ヤーサイ』と呼ばれ親しまれているお盆の伝統行事で、宿毛市の無形民俗文化財に指定されています。

この寺の傍らには、500年ほど前に幡多地域を治めていた一條教房(のりふさ)の息子で土佐一條氏の初代当主、房家(ふさいえ)の墓があります。

『ヤーサイ』は京の都の風習に倣ってお盆に先祖を供養するために始めたとされていて、「領民が直接公家に供えるのは恐れ多い」として、「野菜を竹の先に取り付けた」と言われています。

祭りのメインは“竹回し″の儀式です。

参加者たちが高さが5メートルほどある野菜を取り付けた竹を抱えながら、太鼓の音と音頭(おんど)取りの声に合わせて回ります。

笹の葉が擦れる音と威勢の良い声が寺の境内に響きます。

▼見物客の男性
「懐かしいですね」
▼見物客の女性
「初めて、観て、凄いですね。これ残したいですよね。今、段々と少なくなってるから…」

この後は、衣装を身に着け白粉を塗って化粧をした子ども達が“太鼓踊おどり″を披露し、見物客を魅了しました。

<参考>
*藤林寺は、房家が命じて建立されたとされ、一條公の菩提寺です。
*宿毛市史によると房家は、1539年に(享年63歳)中村城で死去したとされています。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。