“コク”を生む調味料「ギー」ってなに?

「きょうは鶏モモと夏野菜のスパイスカレーです」

熊本県高森町にある地域のコミュニティスペースでは週に1度、ママ友数人が集まりランチを振舞っています。この日は月に一度のカレーの日。

参加者「めっちゃ美味しいです コクがありますね コクが」
コクがあると思います」

参加者が口をそろえて言う“コク”の秘密は、「調味料」にありました。

川並まゆみさん「うちで作っているギ―を入れました。これは旦那が作っています」

聞き慣れない調味料「ギー」とは、一体どんなものなのでしょうか?

バターから生まれる「高純度」オイル

やってきたのは、熊本と大分の県境に位置する熊本県小国町。自宅の工房で迎えてくれたのは、まゆみさんの夫、川並功(かわなみ いさお)さんです。ここで約20年、「ギー」を作り続けています。

川並さん「1000通りの使い方があると言われている」

料理に限らず眼球疲労のエステなどで使われていて、川並さんは虫さされの手当てに愛用しています。

川並さん「かゆくなくなる。解毒作用があると言われていて、子どもは生まれてからずっとギーを使っている」
※川並さん個人の使用方法です

川並家の必需品であり、世界的にもスーパーフードとして注目される「ギー」。どのように作っているのでしょうか?

まずは「バター」を入手

まず、川並さんが仕入れにやってきたのは、JA阿蘇の乳製品加工場です。

川並さん「小国のジャージー牛乳からできたジャージー牛乳バターです」

小国町はジャージー牛の一大産地。味が濃く乳脂肪分が多いミルクから作ったバターを使うことが、川並さんの一番のこだわりです。

自宅に帰り、さっそく製造を始めました。

【製造1日目】

ギ―に使うのは、純度99.8%以上の「乳脂肪分」だけ。そのため、分離したタンパク質や糖分などの「バターミルク」を丁寧にすくって取り除きます。

【製造2日目】

翌日も弱火にかけ続け、純度を高めます。

川並さん「ちょっと甘い香りがしてきました」
――まだ完成ではない?
川並さん「まだまだです」

…と、ここで少し気分転換。川並さん、工房の外で三味線を弾き始めました。

川並さん「いい音を聞くと美味しくなるんじゃないかな?自分も気持ちが良くなるし」

川並家の食卓は「ギー必須」

インドで暮らしたことのある川並さんの食卓は、どんな料理にもギーが登場します。例えば野菜炒めにも、仕上げにギーをひと回し。

最後に油を濾して瓶詰めすれば、川並さん自慢の『手作りギー』が完成。黄金色は、純度の高い証です。

最後に、ギー初心者でも簡単・シンプルに味えるトーストの作り方を、川並さんに教えてもらいました。

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