名古屋市は耐震性不足で2018年から閉鎖している名古屋城天守閣について、安全上問題がない1階などに限って公開する方向で検討している。市が目指す天守閣の木造復元に向けた機運を高めるのが狙い。23年度の来場者数は新型コロナウイルス流行拡大前の水準に戻っており、観光資源として、一層の活用を図る目的もある。25年度中にも実施したい考えだ。
市によると、公開を検討しているのは1階部分と、天守閣の脇にあるエレベーターが入る建物。この建物と天守閣をつなぐ渡り廊下から、18年に復元された本丸御殿を見渡せるようにする構想がある。復元に向けた取り組みを紹介する映像やパネルを設置する案もあり、市は25年度予算案への関連費用計上を調整している。
23年度の来場者数はインバウンドが回復し、新型コロナ禍前と同水準の約205万人だった。一方、7月に名古屋城を訪れた訪日客からは「天守閣からの景色を見てみたい」「見学できるところが限られて残念」といった声が上がる。市は現在のコンクリート造りから木造への復元を目指している。
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