2022年度の全国のふるさと納税寄付額は9654億円と過去最高を更新。一方、「富山県」の寄付総額は全国最下位という結果に。なぜ?最下位を脱する術はあるのか…。

2022年度のふるさと納税の寄付総額は9654億円と3年連続で過去最高を更新。都道府県別では、最も寄付を集めたのが北海道で1452億9000万円、次いで福岡県、宮崎県などとなりました。

一方、富山県の寄付総額は28億7400万円と過去最高を更新したものの、47都道府県中47位で最下位という結果になりました。

“富山のこと”知らない人が多いから…?

この結果に県民は…。

女性:「どうしてなのかなー。自分の“ふるさと”を懐かしみ発展してほしいという気持ちでやっているから。富山はたくさんいいところがあるのにね」

また、祖母の家が高岡市にあり、子どものころによく富山を訪れていたという千葉県の女性は…。

よく富山を訪れていた女性:「みんな食べ物がおいしいといったら北海道とか、あんまり富山のこと知らない人が多いなと思っていて、もっと知られたらおいしいものいっぱいあるし、いま駅もすごいきれいになったし東京からもすぐ来られるし(富山は)いいと思う」

返礼品の数でも圧倒的な差が…

2008年度から始まったふるさと納税、富山県に寄付された額をグラフにしてみると、2016年度から4年つづけて最下位、20年度と21年度も46位となっています。

富山県経営管理部税務課 林原泰彦課長:「富山は市町村数が15と全国で最も少ない自治体で、寄付の選択先が少ないということが挙げられます」

県は全国順位が低い要因を3つ挙げています。▼まず1つは、市町村数が15と全国最少で寄付の選択先が少ないこと、▼2つ目は、全国的に肉や海産物といった返礼品が人気で、たくさんの量を準備できる自治体が上位になりやすいため、▼3つ目は、「過度な返礼品競争に参加するのはどうなのか」といった制度に懐疑的な姿勢があったとしています。

富山県経営管理部税務課 林原泰彦課長:「地場産品基準(返礼割り合い3割以下)が設けられた以降に本格的に取り組んできているので、寄付をいただきにくい環境にあったのかなと」

確かに寄付総額が全国1位の北海道は、市町村数が179で全国最多。全国の市町村別の寄付額の順位を見ても、返礼品にカニやイクラなどの海産物をそろえた紋別市が2位、根室市が3位、白糠町が4位に入っていて、全国トップ10に北海道から3自治体がランクインしています。

ふるさと納税サイト「さとふる」に掲載されている返礼品の数でも圧倒的な差が…。

さとふる広報担当 大場さくらさん:「北海道が9万1315で、富山県が5373。お礼品数で北海道がそもそも多いというのはありますね」

新たなトレンド…“旅×ふるさと納税”

では、富山に寄付を呼び込むのは難しいのでしょうか。いま、あるトレンドが…。

さとふる広報担当 大場さくらさん:「昨年から続いている物価高の影響がふるさと納税のお礼選びにも現れておりまして、最近では日用品・雑貨カテゴリーの返礼品の寄付が伸びております」

「さとふる」の検索ワードランキングでは、1位がお米、2位がトイレットペーパー。ことし1月から5月の寄付件数は、この2年でお米が1.5倍。トイレットペーパーが5倍に増えました。

また、いま返礼品で勢いを増しているのが…。

さとふる広報担当 大場さくらさん:「ことしから新型コロナウイルスが5類感染症に移行したこともあり、いままさに夏休みも始まったタイミングで、旅行の機運が高まっています。ことし1月とGWの5月で旅行券チケットカテゴリーのお礼寄付件数を比較したところ約2倍に増えていました。“旅×ふるさと納税”というのが新たなトレンドになっているのではないかと思います」

例えば、県内でも…。

黒部市では黒部峡谷鉄道トロッコ電車のペアチケットが5万円で。また県では、神通川でアユの友釣りができるシーズンクーポン券が4万6000円。

上市町は、滝行が体験できて、名物のそうめんと入浴券がセットとなったプランが2万円で。というような旅行チケット、体験型の返礼品も用意されています。

“旅×ふるさと納税”という新たなトレンドの波に乗れるかが最下位脱出のポイントと言えそうです。

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