打ち上がった瞬間、大型ビジョンを食い入るように見つめたり、撮影したりする観客たち=和歌山市のイオンモール和歌山で2024年12月18日午前11時0分、加藤敦久撮影

 民間単独としては初となる衛星の地球周回軌道投入に挑んだ小型ロケット「カイロス」2号機の打ち上げは18日、3月の初号機に続いて失敗した。宇宙への夢を乗せた挑戦を一目見ようと、和歌山県串本町の発射場近くの海岸や各所に設けられたパブリックビューイング(PV)会場に集まった多くの見物人からは「次こそは成功してほしい」と今後に期待する声が上がった。

 和歌山市のイオンモール和歌山のPV会場では、立ち見も含めて約150人が行方を見守った。発射の瞬間は「おーっ」という声とともに、拍手が起こったが、画面上ではロケットの進路が曲がったように見えたため、笑顔から心配そうな表情に変わった。

 会場前方にロケット型のバルーンと一緒に陣取った和歌山市の岩坪京雅ちゃん(5)は、延期になったり、爆発したりした過去4回の打ち上げ予定日に県南の見学場へ家族で行くほどのロケットファン。発射後は、その姿が上空に消えるまでじっと画面を見続けていた。

 京雅ちゃんは「ロケットは格好いいから好き。前は爆発して残念だったけど、今日は打ち上がるのを見られてうれしかった」と笑顔を弾ませた。その後、飛行中断の知らせが入ったが、「また頑張って成功してほしい」と機嫌良く話した。

 母親の麻衣さん(37)は「ロケット事業は最初の段階から徐々に成功していく姿を見せたい。失敗しても頑張る姿を見ることで、本人の糧になればいい」と温かく見守っていた。【加藤敦久】

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