宇宙ベンチャー「スペースワン」(東京都)は14日、和歌山県串本町の民間ロケット発射場で同日午前11時に予定していた小型ロケット「カイロス」2号機の打ち上げを強風のため直前に中止し、15日午前11時に延期した。搭載する人工衛星を地球周回軌道に投入できれば、民間単独としては国内初となるはずだったが、仕切り直しとなった。
記者会見したスペースワンの阿部耕三執行役員は、気象観測用衛星から得た最新のデータを分析するなどし、14日午前10時20分ごろから打ち上げに向けた最終的な検討を始めたと説明。「上空10キロ以上の風が強く、飛行中に機体が壊れる恐れがあると判断した」と述べた。
串本町内に設けられた2カ所の公式見学場には約4300人の観衆が集まっていた。阿部氏はロケットや発射場には問題がなく、気象条件も良くなる傾向にあるとし「楽しみにしていただいている方々に報いるためにも、次はしっかり打ち上げたい」と語った。
カイロスはスペースワンが独自開発した固体燃料式の小型ロケットで、全長約18メートル。2号機は京都の新興宇宙企業が開発した重さ約50キロの衛星や、台湾国家宇宙センターの実験用衛星など計5基を積んでいる。【駒木智一、加藤敦久】
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