オービタルレーザーズの衛星運用のイメージ

スカパーJSAT発の宇宙スタートアップOrbital Lasers(オービタルレーザーズ、東京・港)は、コンバーティブル・エクイティ(CE)型新株予約権を発行しスカパーJSATなどから計9億円を調達したと発表した。衛星レーザー技術を活用したデブリ(宇宙ごみ)除去や、地表の画像撮影などの事業化を目指している。調達した資金はエンジニアの人材確保など、開発・運転資金に充てる。

スカパーJSATのほか、東京大学協創プラットフォーム開発とSMBCベンチャーキャピタルから調達した。

オービタルレーザーズは2024年1月、スカパーJSATからカーブアウトして創業した。理化学研究所と連携し、従来比でピークパワーが10倍以上となる小型で高効率な宇宙用レーザーを開発している。現在の社員数は25人程度だが、25年度末までに60人まで増やす計画だ。

27年後半には衛星に積載できるレーザー装置の商用化を目指す。同社のレーザーを使えばデブリ自体の回転を抑制して捕獲しやすくなるとして、まずはデブリ回収事業者に装置を売り込む。将来は独自のデブリ除去事業にも乗り出す。

レーザー技術を活用した高性能センサー「LiDAR(ライダー)」による地表面情報は、効率的な土木インフラ事業や、カーボンクレジットの測定などに役立つ。すでに宇宙航空研究開発機構(JAXA)から衛星システムの研究開発契約を受注している。31年までに独自に事業化する。

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