宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11日、大型基幹ロケット「H3」5号機を2025年2月1日に打ち上げると発表した。日本版全地球測位システム(GPS)を担う準天頂衛星「みちびき」6号機を搭載する。H3は2〜4号機と連続で打ち上げに成功している。
H3の5号機は種子島宇宙センター(鹿児島県)から2月1日の午後5時30分〜午後7時30分の間に打ち上げる。予備期間として2月2日〜3月31日を設定する。
みちびきは内閣府が運用する測位衛星だ。現在は4機体制で、米国のGPSと併用することで、高い精度の位置情報を得られるようになっている。みちびきの数を順次増やして26年度にも7機体制での運用を見込む。7機体制になると、みちびきだけで安定した高精度な測位が実現できる。車の自動走行や農機の遠隔制御、災害時の安否確認といった幅広い分野で活用が期待されている。
H3はJAXAと三菱重工業が共同開発した。初号機は23年3月に地球観測衛星「だいち3号」を載せて打ち上げられたが失敗した。原因究明と再発防止の対策を施し、24年2月に2号機の打ち上げに成功した。7月の3号機は地球観測衛星「だいち4号」を、11月の4号機は防衛通信衛星「きらめき3号」を宇宙空間の軌道に投入した。
JAXAは11月下旬、次世代小型ロケット「イプシロンS」のエンジン試験に失敗した。H3の推力を補助する推進装置は固体燃料を使うなど、イプシロンSと共通点がある。試験の失敗を踏まえ、推進装置の設計や検査データを再確認したが、飛行への懸念はないと判断した。
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