京都大学フォトニック結晶レーザー研究所の設立について説明する京大の野田教授(右)ら(6日、京都市)

京都大学は6日、野田進教授が開発する新型の高出力レーザー「フォトニック結晶レーザー」について、実用化をめざす企業との連携組織を2日付で立ち上げたと発表した。従来の京大内の連携拠点では、装置の有償提供などに制限があることなどから連携しづらかった。大学とは別の組織を新たに作ることで技術の実用化を加速させる狙いだ。

新たに一般社団法人「京都大学フォトニック結晶レーザー研究所」を京大内に設立した。野田教授が代表理事に就くほか理事2人を置き、技術職の職員や事務員などを含め10人ほどの体制で2025年4月から本格的に稼働する。企業への装置、試料の提供や技術指導、企業間の連携促進を手掛ける。

京大内には企業との連携組織「PCSEL-COE」があったが、大学の規定などにより装置の有償提供や量産試作などに制限があり連携しづらいとの声があったほか、教員が基礎研究と企業連携業務の両方をこなすのが負担になっていた。企業連携を専門とする大学から分離された組織を作ることで、こうした問題の解決を狙う。

フォトニック結晶レーザーは野田教授が開発する半導体レーザーの一種で、独自の技術により従来の半導体レーザーに比べて高出力で高品質なレーザービームを出力できる。光を制御したり増幅したりする装置が少なくて済むため、高性能センサー「LiDAR(ライダー)」やレーザー加工機を小型化できると期待されている。

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