アルテミス計画で使われる宇宙船オリオン。2022年の無人飛行試験では月に接近した(NASA提供・共同)

 米航空宇宙局(NASA)は5日、米主導の月探査「アルテミス計画」を巡り、2025年9月を予定していた月周辺への有人飛行が26年4月に遅れ、26年9月の予定だった有人月面着陸は27年中盤にずれ込むと発表した。宇宙船オリオンの問題を修正するためで、計画見直しは今年1月以来。

 30年までの月面着陸を目指す中国と、目標の差が縮まってきた。ネルソン長官は記者会見で「中国の計画は私たちが(水資源があるとみて)目指す南極の重要な地域に行くようなものではない」と違いを強調。トランプ次期政権には、中国より先に月に行くとの課題を引き継ぐ考えを示した。

 NASAは計画の第1段階として22年にオリオンを無人で月へ飛行させた。地球帰還後、大気圏突入時の高温から飛行士を守る機体外側の耐熱材が想定と異なる損傷の仕方をしたことが分かり、原因究明に時間を取られた。次の有人飛行では大気圏突入の方法を変更して対応する。生命維持装置にも異常があり、検証を進めてきた。

 計画には日本も参加する。(共同)

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