G7交通相会合に出席した閣僚ら(12日、イタリア・ミラノ)=AP

主要7カ国(G7)交通相会合は13日、閣僚宣言を採択して閉幕した。通信機能を備えたコネクテッドカー(つながる車)や自動運転車について、サイバー攻撃の対象となるリスクを踏まえ「技術の悪用を阻止する」と記した。中国を念頭にデータ管理の安全性について懸念を示した。

会合は11日から3日間、イタリア・ミラノで開かれた。日本からは斉藤鉄夫国土交通相が出席した。陸上輸送や国際海運などサプライチェーン(供給網)の強化へG7で事務レベルの作業部会を設置することで合意した。

閣僚宣言は、コネクテッドカーのカメラやセンサーを通じて収集した機密情報などが「国家などによって悪用される可能性もある」と懸念を表明した。米政府は、中国の技術が利用されたコネクテッドカーに安全保障上の問題があるとして対策を取る方針を示している。

コネクテッドカーは周辺の車や交通インフラと通信ができ、サイバー攻撃を受ければ被害が大きくなる可能性がある。G7各国はセキュリティー強化や技術の悪用防止に向けた対策で協調することで一致。宣言に「国家安全保障上のリスクに関する情報を共有する」と盛り込んだ。

会合では交通インフラでの人工知能(AI)の利用を巡っても討議した。輸送効率化や気候変動による影響の予測を可能にする一方、安全性では「潜在的なリスク」があるとの見解を示した。

会合ではイエメンの親イラン武装組織フーシが紅海で商船などを相次ぎ攻撃している問題も議論した。世界的な交通の混乱に対処するため、緊密な協力を継続することで一致。拿捕(だほ)された乗組員の早期解放を求めた。

ロシアから侵略を受けたウクライナへの支援も議題となった。同国の物流システムの再建へ「全面的にコミットする」と宣言に記した。

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