【ニューヨーク=川上梓】米インテルは2日、パット・ゲルシンガー最高経営責任者（CEO）が1日付で退任したと発表した。業績低迷を受けて経営体制を刷新し、立て直しを急ぐ。最高財務責任者（CFO）のデビッド・ジンスナー氏と製品責任者であるミシェル・ジョンストン・ホルトハウス氏が暫定的な共同CEOに就いた。
ゲルシンガー氏は1日付で退職した。取締役会は今後、新たなCEOを選任する。ゲルシンガー氏は21年からインテルを率いてきたが、主力の半導体の受託生産が苦戦し、シェアが低迷。人工知能（AI）市場の開拓も遅れたことで業績が低迷していた。
2024年7〜9月期決算は最終損益が166億3900万ドル（約2兆5000億円）と過去最大の赤字となった。新型コロナウイルス下の特需を見込んで過剰投資した半導体の製造設備の損失や、リストラに伴う費用計上が響いた。ゲルシンガー氏の退任発表を受け、インテルの株価は2日の市場外取引で一時5%上昇した。
バイデン米政権は11月26日、インテルが米国の複数の州で投資する半導体工場への補助金が最終決定したと発表していた。インテルは業績低迷からの立て直しに向けて早期に補助金を受ける重要性が高まっていた。
【関連記事】
- ・インテル･サムスン、受託生産の誤算 半導体ビッグ3崩れ
- ・米政権、インテルに補助金1.2兆円 半導体工場へ投資
鄭重声明：本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。
