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<遅めの朝食と早めの夕食を取るか、どちらか1食を完全に抜くことで「食事の時間枠」を8〜10時間に収める。それ以外の時間は消化器を休ませる>

2型糖尿病のリスクがある人が時間制限食(TRE、time restricted eating)を実践すれば、筋肉ではなく脂肪を減らすことで体重減少を促し、血糖値を改善できる可能性がある──そんな新研究が先頃、「内科学会紀要」オンライン版に掲載された。

時間制限食とは、食事の摂取を1日の一定の時間枠に限定し、残りの時間は絶食する食事法をいう。

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今回の研究では、メタボリックシンドロームと診断された被験者にTREを試してもらった。メタボリックシンドロームの人は、2型糖尿病と心臓病にかかるリスクがある。肥満、高血圧、血糖コントロール不良、コレステロール値の異常のうち、いくつかを患っているためだ。

米疾病対策センター(CDC)によると、アメリカ人の11.6%は2型糖尿病で、38%近くが糖尿病予備群。心臓病は世界の死因のトップだ。

TREでは、遅めの朝食と早めの夕食を取るか、どちらか1食を完全に抜く。こうすることで夜間の食べない時間を長くして、消化器系を休ませる。

今回の研究では、108人の被験者を2つのグループに分けた。第1のグループは栄養に関する注意を受け、通常の食事パターンを続けるよう勧められた。第2のグループは同じ注意を受けたが、毎日の食事時間を8〜10時間の枠に収めるよう指示された。

「人間は食事を1日中するようにはできていない。私たちの体にとっては、十分な睡眠が必要なのと同じように、代謝にも休息を与えることが大切」と、研究論文の共同執筆者でカリフォルニア大学サンディエゴ校の心臓専門医であるパム・タウブは言う。

「アメリカ人の平均的な食事の時間枠は、14時間に及ぶ。ベッドに入るまで何かを食べている人もかなりいる」

体内時計のリズムを利用

この研究では、TREを実践するグループは通常の食事パターンを続けるグループに比べて体重が大きく減り、血糖値もより改善した。わずかな差ではあるが、有意な差だった。

例えば糖尿病とその予備群を発見する指標となるヘモグロビンAlc(HbAlc)は、TREを実践するグループではそうでないグループより平均0.1%低かった。


TREを実践するグループはそうでないグループより体重が減少していたが、総体重で5.4%、腹部脂肪では3.5%多く減っていた(筋肉は減っていなかった)。

「メタボリックシンドロームは心血管系の危険因子の組み合わせであり、決定的な治療法はない」と、タウブは言う。

「TREは(糖尿病治療薬の)メトホルミンや(コレステロール値を下げる)スタチンなど一般的な薬を使用中の被験者にも安全であり、この複雑な症候群のいくつもの側面に効果があることが分かった」

共同執筆者であるソーク生物学研究所教授のサッチダナンダ・パンダはリリースの中で、TREに効果があると考えられる理由を説明している。

「私たちの体は時間帯によって、糖や脂肪の処理方法がかなり違う。TREは体の自然な知恵に再び働きかけ、日々の体内時計のリズムを利用して代謝を回復させ、健康を改善させている」


【参考文献】
Manoogian, E. N. C., Wilkinson, M. J., O'Neal, M., Laing, K., Nguyen, J., Van, D., Rosander, A., Pazargadi, A., Gutierrez, N. R., Fleischer, J. G., Golshan, S., Panda, S., Taub, P. R. (2024). Time-Restricted Eating in Adults With Metabolic Syndrome, Annals of Internal Medicine 177(11).

X(旧ツイッター)で最新研究について報告するパンダ教授

10h Time restricted eating (14h fast) for 3 months to manage prediabetes (HbA1C ~5.9)
⬇️hemoglobin A1C by 0.1%
⬇️glycemic variability measured by CGM
BTW 0.1% ⬇️in HbA1C among people with prediabetes can ⬇️the risk of diabetes in the next 2 y by 58%https://t.co/BdnIuk5l3Z

— Satchin Panda (@SatchinPanda) October 1, 2024
論文発表を報告するパンダ教授のX(旧ツイッター)への投稿

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