稲盛財団は第39回京都賞でペンドリー氏㊧ら3人の受賞者を選んだ(10日、京都市)

稲盛財団(京都市)は10日、科学や文明の発展に貢献した人を表彰する第39回京都賞の授賞式を京都市内で開いた。微細な構造体で電磁波を屈折させる「メタマテリアル」の理論を構築した英インペリアル・カレッジ・ロンドン理論固体物理学教授のジョン・ペンドリー氏ら3人の功績をたたえた。

メタマテリアルは微細な金属などの構造体を設計することで電波を通常と逆方向に屈折させる。技術は顕微鏡やマイクロ波の制御技術として注目されている。ペンドリー氏は「間違った選択をすることもあるが、諦めたら終わりだ。どんな成果も得られない」と話し、粘り強く研究を続ける重要性を指摘した。

数億年前の地球表面全体の凍結や過去の大陸などの岩盤の移動の様子を明らかにしたカナダのビクトリア大学客員教授のポール・F・ホフマン氏は「ほかの人がやらないテーマを選んで努力してきたことが自分のスタイルに合っていた。良い発想は走ったり歩いたりしているときに生まれた」と述べた。

伝統的なバレエの構造を問い直す作品制作を実現した米国出身の振付家のウィリアム・フォーサイス氏は「伝統に疑問を投げかけ、結果よりもプロセスを重視してきたことが良かった」と語った。

3人には賞金1億円とメダルが贈呈される。稲盛財団は京セラ創業者の稲盛和夫氏が1984年に設立した。

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