山形県内でのAI人材育成に関する連携協定を結んだ関係者ら(9日、山形市)

山形県内でAI(人工知能)を使いこなせる人材を育成しようと、県内の行政機関や企業、大学などでつくる「やまがたAI部運営コンソーシアム」とLINEヤフー、キラメックス(東京・渋谷)が連携協定を結んだ。県内企業に教育プログラムを有償で提供し、高校生向けの実証実験にも取り組む。

教育プログラムは、LINEヤフーのグループ社員や顧客企業を対象としたもので、1回2時間のオンライン講座7回で構成する。受講料は1人あたり税別20万円。第1弾として11月7日から12月19日まで、約100人の定員で実施する。

営業や企画などAIを活用する文系職種の人材を主な対象に想定する。LINEヤフーグループでは社内のAI推進を担う人材も育っており、山形でも同様の成果が生まれると期待する。

高校生には内容を改訂した1回2時間のオンライン講座を12月から4回実施する。最大21人の高校生が対象で、プレゼン能力やコミュニケーション力を高めるためのオンライン特別講座も別途開く。

こうした協力の枠組みは全国でも珍しいという。コンソーシアムの松本晋一会長は協定締結式で「AIを学べば人口減少下での経済成長を矛盾なく実現できる。AIリテラシーの高い企業が県内に増えれば高校生やUIターン人材の雇用の受け皿となり、産業競争力も高められる」と山形の将来に期待した。

LINEヤフーの谷口美明氏は「AIを駆使して事業の継続性を高められる人材をまずは山形で育てていく。日本全国に取り組みを広げることも将来は視野に入れたい」と意気込んだ。

東証グロース上場のユナイテッド傘下でプログラミング教育を手がけるキラメックスの樋口隆広社長は「企業の生産性を上げて経済成長に結びつけられれば、経済格差に起因する教育格差もおのずと解消する」と話した。

やまがたAI部運営コンソーシアムは2020年設立。AIプログラミング技術などを高校生に教える取り組みを続けており、24年度は県内21校の117人が参加している。

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