H3の2号機に続いて、3号機も成功できるかが日本の宇宙開発の焦点となる(3月、種子島宇宙センターから打ち上げられた2号機)

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は26日、基幹大型ロケット「H3」3号機を6月30日に打ち上げると発表した。災害時の被害状況を把握する地球観測衛星「だいち4号」を搭載しており、次世代基幹ロケットの本格的な運用が始まる。

H3の3号機は種子島宇宙センター(鹿児島県)から6月30日の午後0時6分〜19分の間に打ち上げる。打ち上げ予備期間として7月1日〜31日を設定する。

H3の初号機は2023年3月、地球観測衛星「だいち3号」を載せて打ち上げられたが、失敗した。24年2月の2号機で打ち上げに初めて成功したが、宇宙への輸送能力を確かめるのが目的で、万一に備えて実用的な衛星は載せていなかった。実用衛星を搭載する3号機の打ち上げに成功することが、H3の運用を軌道に乗せるために重要になる。

H3ロケット3号機に搭載する地球観測衛星「だいち4号」(3月、神奈川県鎌倉市)

H3はJAXAと三菱重工業が開発した。日本の基幹ロケット「H2A」の後継機にあたる。H2Aが残り2機で退役するため、H3の安定的な運用は日本が安全保障面で必要な人工衛星の打ち上げや宇宙開発を進めるうえで不可欠となる。打ち上げ費用はH2Aの半分程度となる約50億円を目指している。

H3の3号機に搭載するだいち4号はJAXAと三菱電機が開発した。レーダーを使って夜間や天候の悪いときでも地上を観測し、災害状況の把握や地殻変動の検知などができる。

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