独BMWは工場に米スタートアップのFigureが開発するヒト型ロボットを導入することを計画している=Figureのサイトから
日本経済新聞社は、スタートアップ企業やそれに投資するベンチャーキャピタルなどの動向を調査・分析する米CBインサイツ(ニューヨーク)と業務提携しています。同社の発行するスタートアップ企業やテクノロジーに関するリポートを日本語に翻訳し、日経電子版に週2回掲載しています。

人工知能(AI)の進化により、自動車メーカーの車の設計、組み立て、販売、修理方法が変わりつつある。大規模言語モデル(LLM)はシミュレーションや、条件を入力するとデザイン案を自動生成する「ジェネレーティブデザイン」で新たな機能を可能にし、ヒト型ロボットの進化を後押しし、製造、販売、アフターマーケット(整備や修理など)の生産性を向上するコパイロット(生成AIによる業務支援ソフト)に道を開いている。

ソフトウエアで制御する電気自動車(EV)への注目が高まり、自動車メーカー各社は購入体験のデジタル化を推進しているため、こうしたテクノロジーはますます重要になっている。

CBインサイツのテック情報プラットフォームを活用し、資金調達額、アナリストの説明、ビジネス関係、従業員数の伸び、独自スコアなどから業界関係者が2024年に注目すべき15のテクノロジーをまとめた。

以下はその概要だ。

・AIと量子コンピューティングは車の開発を加速し、研究開発コストを削減する。これにより自動車メーカーは新たなデザインや素材を導入し、試作品を製造できるようになる。

・高度なロボットやオートメーションシステムが生産に恩恵をもたらす。コスト効率が高く、モジュール化した次世代車の生産の土台となる。

・AIにより、パーソナライズされた効率的な販売プロセスが実現する。新たなフィンテックシステムとエンゲージメントツールにより、見込み客を見つけて成約に至るまでの販売サイクルが短くなり、買い手は購入しやすくなる。

・コネクテッドカー(つながるクルマ)の技術により、車の状態とセキュリティーをリアルタイムに可視化できるようになる。これにより、バリューチェーンの他の面を強化し、車内体験を充実させる有益なデータが自動車メーカーに提供される。

・チャットボットとコンピュータービジョン(映像解析技術)を活用した検査システムにより、車の修理が効率化し、受付の生産性や技術者の精度が高まる。

自動車のバリューチェーンで本格化する15のテクノロジー

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