10:00ごろ
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「おやつ」が2人に
振り駒の結果、先手は藤井八冠となりました。立会人が対局の開始を告げると、先手の藤井八冠はお茶をひとくち含んでから飛車先の歩を突きました。後手の伊藤七段も同様に歩を動かして応じ、対局が始まりました。その後は互いに大駒の角を交換し、テンポよく駒組みを進めています。
9:00前
「叡王戦」五番勝負の最終局は、甲府市が会場です。午前8時45分ごろ、挑戦者の伊藤匠七段が先に対局室に入りました。続いて午前8時50分ごろに藤井聡太八冠も対局室に入り、互いに一礼してから駒を並べ始めました。
「叡王戦」五番勝負はここまで、藤井八冠と伊藤七段がともに2勝し、決着は最終局の第5局に持ち込まれました。藤井八冠は去年、史上初めて八大タイトルを独占。これまでのタイトル戦をいずれも制し、ことしに入っても「王将」「棋王」「名人」を相次いで防衛しています。4連覇がかかる今回の「叡王戦」では先に2勝され、「角番」に追い込まれましたが、あとがない状況で臨んだ第4局に勝利し、決着を最終局に持ち込みました。一方、伊藤七段は、去年の「竜王戦」、ことしの「棋王戦」で藤井八冠に挑戦しましたがいずれも敗れていて、3度目の挑戦で初めてのタイトル獲得を目指します。
谷川十七世名人は「2人のタイトル戦は3度目で『竜王戦』『棋王戦』は藤井八冠がストレートで勝ちましたが、伊藤七段もタイトル戦に慣れてきて実力を出せるようになってきました。タイトル戦を重ねるごとに力をつけてきたということだと思います」とこれまでの2人の戦いを振り返りました。谷川十七世名人は「『角換わり』など最新型の研究の深さに関しては今の将棋界では藤井さん、伊藤さん、永瀬拓矢九段の3人だと思います」とした上で藤井八冠をはじめ、多くのトップ棋士は有利とされる先手での勝率が高いのに対し、伊藤七段は後手の方がやや勝率が上回っているのが特徴だとして「序盤の研究が行き届いていることと、終盤が強いということの2つを証明している」と指摘しました。中でもことし2月の「棋王戦」第1局で後手の伊藤七段が互いの玉に詰む見込みがなくなる『持将棋』に持ち込んだことについて「相当研究をしていないとタイトル戦の第1局で用いることはできないと思います。深い突き詰めた手順においては藤井八冠を上回っている部分があるかもしれない」と話していました。そして、最終局の第5局は振り駒で先手と後手を決めますが「2人とも先手になったとき、後手になったときはそれぞれこうしようと決めていると思うので、どちらが先手になっても序盤はある程度のところまですごい勢いで進むのではないかと思っています。経験の差や最終局というこれまでとまた違った雰囲気から藤井さんが有利と考えますが、終盤まで競り合いが続いてどちらが勝つか分からない勝負になって欲しいです。2人の勝負、タイトル戦はこれから10年、20年にわたって続くと思うので、その中で今回の対局がどのような位置づけになるのか楽しみです」と期待を寄せていました。
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