河野太郎デジタル相は31日の記者会見で、サイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」の法整備に関する有識者会議の設置を発表した。佐々江賢一郎元駐米大使ら17人が参加し、6月上旬にも初会合を開く。

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名称は「サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議」で、河野氏のもとに置く。早ければ秋に予定する臨時国会での関連法案提出をめざす。

サイバー対策の実務者や情報法が専門の学者など幅広い分野から識者を選出した。憲法の「通信の秘密」や現行法との整合性を整理し、法整備に向けた課題を洗い出す。河野氏は「分野横断的に幅広くしっかり議論いただけることを期待をしている」と述べた。

能動的サイバー防御は国が平時から通信を監視し、基幹インフラへの攻撃などの兆候を探り、兆候段階で相手のシステムに入り無害化する仕組みを指す。すでに米国や英国、ドイツなど同盟国・同志国の多くが取り入れる。

サイバー攻撃は時代とともに手口の巧妙化が進む。ロシアは侵略の1年以上前からウクライナの重要インフラの情報システムに侵入し、攻撃を展開した。各国もサイバー攻撃に備える体制を強化する。

日本も攻撃を防ぐには能動的サイバー防御の導入は必須だ。米欧に遅れていた情報保全体制の整備がようやく動き出す。

有識者の一覧

上沼紫野・弁護士
遠藤信博・NEC特別顧問
落合陽一・筑波大准教授
川口貴久・東京海上ディーアール主席研究員
川添雄彦・NTT副社長
酒井啓亘・早大教授
佐々江賢一郎・元駐米大使
宍戸常寿・東大院教授
篠田佳奈・BLUE代表取締役
辻伸弘・SBテクノロジープリンシパルセキュリティリサーチャー
土屋大洋・慶大院教授
野口貴公美・一橋大副学長
丸谷浩史・日本経済新聞社大阪本社代表
村井純・慶大教授
山岡裕明・弁護士
山口寿一・読売新聞グループ本社社長
吉岡克成・横浜国立大院教授
(五十音順)

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