街中に放置された自転車を発見して、すぐに撤去する「リアルタイム撤去」を採用する自治体が増え、効果も表れていますが、行き過ぎた撤去で大阪市が謝罪しました。
■禁止区域に放置自転車 見つけたら即撤去
アナウンス「条例に基づき、放置自転車の撤去作業を行います」
激しく火花を散らしながら、問答無用でチェーンを切断していきます。次々と自転車が運び込まれていきます。
大阪市は去年11月から、放置自転車を見つけ次第撤去する「リアルタイム撤去」を始めました。自転車放置の禁止区域にずらりと自転車が並び、歩道にもはみ出していて、歩きづらい状況になっています。
午前9時40分、自転車の撤去作業が始まりました。次々とトラックに積み込んでいると、作業わずか10分でトラックがいっぱいになりました。自分の自転車だという男性がやってきました。
自転車を積み込まれた人「(トラック)閉める時に言ってるから」 撤去担当者
「もう載ってるんで。そういうルールでやってる」 自転車を積み込まれた人
「もうええて」 目の前に自分の自転車があっても、トラックに積み込まれた時点で撤去の対象です。 撤去された人
「(Q.自転車がトラックに載っていた?)載ってました」
「(Q.集積所に持っていかれてお金払って…)そうそう。やばいでしょ」
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■市担当者「万博期間でインバウンドも…」■市担当者「万博期間でインバウンドも…」
他の場所では、トラックの荷台を指差しながら、女性が不安そうに近付いてきます。取りに来た人でしょうか、自転車が運び込まれてしまったようです。
自転車を積み込まれた人「ほな、お金渡したらいいですか?」 撤去担当者
「もうここからは(渡せないので)」 自転車を積み込まれた人
「えぇ…」 撤去担当者
「次、行っちゃって」
ここでは引き渡せないようです。
男性「おろしたらいいやん」
「なんで、おろすだけやん」 撤去担当者
「おろせないんです」
「できないんです」 70代
「決まりごとは守らなアカンけど、ちょっとぐらいええやないかって。大阪人の近い方がええんちゃう、ちょっとぐらいかまへんっていう」 大阪市建設局 市岡工営所
利岡裕介担当課長
「万博期間でインバウンドの方もたくさんミナミにお越しになるので。街並みの良い印象を持って、母国に帰ってほしいという思いもあり、自転車対策を実施しています」
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■行き過ぎた行為も判明…大阪市が謝罪■行き過ぎた行為も判明…大阪市が謝罪
警告札を付けるなどして、一定期間待っていた従来と違い、発見次第すぐに撤去する「リアルタイム撤去」。大阪市は繁華街を中心とした“放置禁止エリア”のみに限定して行っていましたが…。 大阪市の職員「この度は大変申し訳ございませんでした」 一部の職員が“禁止エリア外”の自転車も即時撤去していたことが、8日に明らかになりました。
条例でエリア外は、7日間以上待ってから撤去すると定められています。
大阪市の職員「今回判明した事案は、市民の財産への侵害であるとともに、自転車撤去行政への信頼を揺るがす事態であることを重く受け止めております」 他にも、防犯登録シールを勝手にはがすなど行き過ぎた対応が明らかになりました。職員はこうした行為について、次のように話しているということです。 規則を破った職員
「早く撤去してほしいという市民の要望に沿って撤去した。ぼろぼろの自転車をわざわざ取りにくるのは不便だろうと思って、シールをはがした」 不正に撤去された自転車は分かっているだけで2211台。大阪市は、所有者に対して何らかの賠償をする方針です。
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■東京・北区で効果絶大 駅前放置10分の1■東京・北区で効果絶大 駅前放置10分の1
有無を言わせない「リアルタイム撤去」ですが、都内でも、放置されていた自転車がトラックに積み込まれ、撤去されていきます。 かつて、東京・北区にある駅前を放置自転車が埋め尽くしていました。 北区在住20年の人「(放置自転車は)すごかったですよ。人が歩くのがやっとなくらい、自転車が何重にもなっていた」 歩道の半分が見えなくなるほどでした。 北区在住50年の人
「引き出すために、自転車がひっくり返ったりするじゃないですか。ドミノ倒し、よく起きてましたね。危ないですよね」 5年で放置自転車が10分の1
「リアルタイム撤去」を実施すると、5年ほどで放置自転車は10分の1になりました。
北区では警告札を取り付けて、ごく短時間のみ経過を見守った後に撤去する手法をとっています。 30代「今は通りやすい。ベビーカーも困らず通れます」 50代
「素早く対応してもらうと、やっぱり歩行者も通行的にはけがなく、小さい子どももいるし、そういう点では良いと思います」 北区は自転車を撤去するだけでなく、駐輪場の増設も同時並行で進めているということです。
(「グッド!モーニング」2024年5月9日放送分より)
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