能登半島地震の影響で亡くなったとして、少なくとも93人の遺族が「災害関連死」としての認定を求めて石川県内の市町に災害弔慰金の申請をしたことが、各市町への取材でわかった。県は市町と合同で、来週中にも弔慰金に関する初会合を開き、月内に初の認定が出る見通し。県は8日までに今回の地震による関連死の疑いを15人と発表しているが、大幅に増える可能性がある。

 朝日新聞が石川県内の19市町に取材した。災害関連死の申請が最も多いのは輪島市で53件、次いで能登町が16件、志賀町が10件、七尾市と穴水町はともに7件だった。申請は今後も増える可能性がある。

 被害の大きかった珠洲市は、直接死を含めた災害弔慰金の申請件数を約70件としたが、関連死としての申請数は非公表として回答しなかった。白山市は弔慰金の申請が4件あるとしたが、関連死の有無は非公表とした。

 災害弔慰金は、亡くなった人が生計維持者の場合は500万円、その他の場合は250万円が国から遺族に支給される。住民票のある自治体へ申請するため、石川県外の自治体に申請がある可能性もある。

 県が公表した15人の災害関連死の疑いは、市町が独自で認定したもので、1月22日以降は更新されていない。

 県の8日までの発表によると、能登半島地震の死者数は直接死と関連死を合わせて245人。今後、関連死の審査や認定が進めば、2016年の熊本地震の死者数276人(関連死を含む)を上回る可能性がある。

 石川県の馳浩知事は、元日の発災直後から、被災地のインフラが大規模に寸断され、厳冬期でもあることを理由に災害関連死の増加を懸念し、被災地外のホテルなどへの2次避難を呼びかけていた。(土井良典、椎木慎太郎)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。