ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体タイトルマッチで防衛を果たした統一王者の井上尚弥(大橋)が試合から一夜明けた7日、横浜市の大橋ジムで記者会見した。終始穏やかな表情で「内容的には満足のいく、すごく良い試合だった」と激闘を振り返り、4万人超の熱狂を生む要因となったプロ初ダウンの場面については「日頃から考えていた」という方法で対処したことを明かした。

◆生きたイメージトレーニング「歴史に残る日に」

 1回。ネリの左フックを食らい「死角から来たパンチ。角度の調整のミス」と反省したシーン。倒れた井上尚は、レフェリーがカウント8を数えるまで、膝をついていた。

統一世界戦から一夜明け、東京中日スポーツの紙面を掲げる井上尚弥

 これはイメージトレーニングのたまものだった。「8カウントまで休む、その数秒が大事。そういうシーンが訪れたらと日頃から考えていた。実践できた」。ダウンを喫したボクサーは、本能的に瞬時に立ち上がるという。ただ、回復しきらず、さらにピンチを招くことがある。ダウン経験のない井上尚ならなおさら焦りかねない場面だが、冷静に頭を働かせ、その後の優位な展開につなげた。  終わってみれば圧倒的なKO勝利。「歴史に残る良い日になった」と笑顔で語るモンスター。改めて強さと緻密さが際立った一戦だった。(丸山耀平) 

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