◆生きたイメージトレーニング「歴史に残る日に」
1回。ネリの左フックを食らい「死角から来たパンチ。角度の調整のミス」と反省したシーン。倒れた井上尚は、レフェリーがカウント8を数えるまで、膝をついていた。統一世界戦から一夜明け、東京中日スポーツの紙面を掲げる井上尚弥
これはイメージトレーニングのたまものだった。「8カウントまで休む、その数秒が大事。そういうシーンが訪れたらと日頃から考えていた。実践できた」。ダウンを喫したボクサーは、本能的に瞬時に立ち上がるという。ただ、回復しきらず、さらにピンチを招くことがある。ダウン経験のない井上尚ならなおさら焦りかねない場面だが、冷静に頭を働かせ、その後の優位な展開につなげた。 終わってみれば圧倒的なKO勝利。「歴史に残る良い日になった」と笑顔で語るモンスター。改めて強さと緻密さが際立った一戦だった。(丸山耀平) 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。