◆1週間放置され続けたごみ袋の排出者を特定、指導へ
「ごみの適正排出に向けた仕組みの最も不可欠な基礎として、開封調査を可能とする規定を条例に明記した」 福島市の木幡浩市長は11日の市議会本会議の一般質問で、ごみ袋を開け、排出者を調べるための条例をつくる意義を強調した。ごみの開封調査を来年3月から実施する方針を記者会見で表明する福島市の木幡浩市長=11月、福島市で(同市提供)
木幡氏は11月20日の記者会見で、来年3月から開封調査を導入する方針を表明。今月2日開会の市議会に市廃棄物処理条例の改正案を提出し、最終日の17日に賛成多数で可決した。 今後、改善を求めるシールを貼っても1週間ほど放置され続けたごみ袋を市職員が開け、排出者を特定する調査を実施。排出者に指導をしても違反が繰り返される場合は勧告、それでも従わない場合は氏名や事業所名を公表するという。◆1年間で違反ごみ9000件、計50トン
背景には、ごみ出しのルール違反の深刻化がある。福島市では昨年度、飲食店などが家庭用の収集場所に出したり、分別ルールが守られなかったりした違反ごみが約9000件あり、総量は約50トンに上った。 事業系ごみは真夜中に出されることが多く、カラスに朝方荒らされて生ごみが散乱する被害も相次ぎ、苦情が市に毎週届いていたという。ごみ袋の目視だけでは排出者を約200件しか特定できず、市の担当者は「有料で処理しなければならない事業者に『ただ乗り』を許していた」と明かす。カラスが荒らした福島市内の収集場所=福島市で(同市提供)
ごみ排出量も悩みの種だった。市民1人当たりの1日のごみ排出量(2022年度)は1080グラムで、全国平均の880グラムを大きく上回る。市の担当者は「リサイクルできる資源ごみが分別されずに出されている。減量は焼却灰を埋め立てる最終処分場の延命化、ひいては市民負担の軽減につながる」と期待する。◆自転車の若い男が、目の前でリュックからゴミを…
開封調査はすでに多くの自治体で実施されている。政令指定都市は横浜や千葉、静岡、札幌、神戸などで行われる。福島市によると、全国62の中核市でも約半数が導入済み。実際、どのようにやっているのか。「こちら特報部」は今月上旬、横浜市の現場を訪ねた。 「収集できません」 市中心部・中区の繁華街近くにあるマンション脇のダストボックス。赤字でこう書かれたシールを貼ったごみ袋が4つ並ぶ。分別違反があり、収集日に取り残されていた。出し直しを期待した啓発手段の一つだが、めったにかなわないという。濃紺のウインドブレーカー姿の市職員2人が回収し、トラックに載せた。分別違反ごみをダストボックスから回収する横浜市資源循環局の職員=横浜市中区で(山田雄之撮影)
車通りが少ない別の収集場所。着くと、自転車に乗った若い男性がむき出しのごみをリュックから捨て、立ち去る場面に出くわした。記者に同行した市資源循環局業務課の大野貢司資源化係長は「収集日ではないし、収集場所はごみ箱ではないんですけどね」とため息をついた。 横浜市の収集場所は今年3月時点で約7万9700カ所。分別違反のごみ袋が減らなかったり、住民から要望があったりした場所が開封調査の対象となる。実施は不定期。この日は午前4カ所、午後3カ所で計19袋を回収した。◆刺激臭するごみ袋の中からペットボトル、プラ容器…
横浜市資源循環局中事務所に戻り、人目に付かない駐車場の一角で開封調査が始まった。開くと、刺激臭が鼻につくごみ袋もあったが、職員4人が2人1組で黙々とごみを取り出した。 1袋10〜15分。ペットボトル、カップうどんや弁当のプラスチック容器、ボディーソープの詰め替え袋などの違反ごみをトレーに並べながら、排出者を特定する紙類を探す。「手がかり」は原則、公共料金の領収書、封筒やはがきの宛名に限る。大野係長は「当初、特定した資料を訪問指導で示したら家族で共有されていない買い物が判明したことがあった。排出者のプライバシー...残り 1394/3102 文字
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