北九州市で中学生の男女2人が殺傷された事件で逮捕された43歳の男。男が中学生の時から30年近く通った理髪店の店主が取材に応じ、「近寄りがたい感じ」に雰囲気が変わっていたと明かしました。

■“30年来”の理髪店「雰囲気変わった」

(平原容疑者が利用していた理髪店の店主)「(平原容疑者が)去年の1月に来ていたんですよ。その時に雰囲気が変わっていたから。学生の時と比べて。ちょっと落ち着きがないというか。」
北九州市内のファストフード店で中学3年の男女が刺された事件。殺人未遂の容疑で逮捕された平原政徳容疑者(43)。
わずか十数秒とみられる犯行。中島咲彩さん(15)が死亡。一緒にいた男子生徒(15)が重傷を負いました。
平原容疑者が中学生のころから利用していた理髪店。最後に姿をみせたのは、去年の1月でした。
(平原容疑者が利用していた理髪店の店主)「会話のキャッチボールができにくかったですね。目がすわっている感じ。雰囲気的に怖い感じやね。近寄りがたい感じに。」
平原容疑者に何があったのでしょうか?

■騒音トラブルも「高校時代は物静か」

(周辺住民が録音した音声)「南無阿弥陀仏」
今年の5月と10月の2回、警察に相談が寄せられ、騒音トラブルに。さらに容疑者の自宅には近寄りがたい雰囲気もあったそうです。
(容疑者の周辺住民)「最近すごい青々しているんです。夜になるとブルーというかイルミネーションをしているのかなと思った」
(容疑者の周辺住民)「緑はこの間見えた、緑色。」
北九州市内で育った平原容疑者。高校時代はバスケットボール部に所属し、同級生によると「物静かで目立たない存在だった」といいます。
平原容疑者が高校卒業後も、時々利用していたという理髪店の店主は…
(平原容疑者が利用していた理髪店の店主)「優しそうな青年という感じかな。おとなしい子だったね。『派遣の仕事しているよ』とか、『職業訓練に行っているよ』という話は言ってくれたと思います。」

■「子どもができた」“仲良し家族”の印象も

さらに2009年、平原容疑者が28歳の時に来店した際には…
(平原容疑者が利用していた理髪店の店主)「『顔そりをしたい』と言ったから、僕たちも『何があるの』と聞くと、『結婚式』と言って、『あっ結婚式がある?』と、自分の結婚式というのを教えてくれた。『子どもができた』と。」

(草薙和輝アナウンサー)「かつて平原容疑者は、現在の自宅から車で15分ほど離れた同じ北九州市内のこちらのアパートに家族と一緒に住んでいたということです。近所の方によりますと、その当時、目立ったトラブルはなかったといいます。」
(容疑者が以前住んでいたアパートの周辺住民)「仲良かった家庭だったみたいでね。お父さん(容疑者)は子どもとボール遊びしてやってね、外で。(子どもは)当時幼稚園児だったかね」
Q.仕事はしていた?
「いや、してなかったと思いますよ。いつも家の前でタバコ吸っていたから。朝とか夕方」
Q.奥さんは働いていた?
「(妻は)働いていたんじゃないですかね。自分が通勤するときに同じ時間帯に出かけていたので」
その平原容疑者は5年ほど前、家族で引っ越していったといいます。

■離婚で独り身に「雰囲気変わった」

逮捕当時、2階建ての一軒家に1人暮らしをしていた平原容疑者。捜査関係者によりますと、妻とは離婚していて、娘は被害者の中学生と同世代だといいます。
(平原容疑者が利用していた理髪店の店主)「去年ですね。1月15日が最後ですね。完全に目が焦点が合っていないような感じを受けましたね。(以前と)雰囲気が変わっていたから。上の空って言ったらいけないかな。なんかそんな感じだったですね。」

■「地主で駐車場経営」車は2台持ち

ここ数年、定職に就いている様子がなかった平原容疑者。しかし、取材ではお金の面で困っていたという話はきかれませんでした。むしろその逆です。
(半沢暁人ディレクター)「容疑者が事件当日、現場まで乗って行ったとみられる車が押収されていきます」
警察はさらにもう一台の車も押収しています。
Q.2台車を持っていた?
(容疑者の周辺住民)「黒と白。黒い車は最近なんです。白い車はいつも乗っていた。黒い車を乗りだしたのは2週間ぐらいかな。バッテリー交換したのか知らないけど(故障して)乗るようになった」
さらに、事件の2日後から3日連続で出前を配達していた飲食店も。
(事件後に出前を配達した飲食店)「最終日に、最後メニューくれというから持って行った。お得意さんになるかなという感じだったから。持って行って次の日でしょ、逮捕されて。お金もちゃんと払ってくれるし」
Q.どんな財布を持っていた?
「普通の長財布でお札は結構入っていたみたい」
平原容疑者と小中高の同級生は。
(小中高の同級生)「無職でしょ、地主だったとかで駐車場経営していたと聞いている」

北九州市内には平原容疑者の親族が複数の不動産を所有し、地元では地主として知られています。
犯罪心理に詳しい専門家は、平原容疑者のここ1年ほどの迷惑行為に注目します。
(犯罪心理学者 東京未来大学 副学長 出口保行教授)「社会に対して自分というのはここにいるよという1つのアピールであったと。本人は社会的孤立というようなものを非常に強く感じていたと思う。社会に大きな動揺を与えて、自分というものが注目させること、そこが本人にとって第一義の価値観であったと思う」


12月22日『有働Times』より

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