ベルが鳴れば、すぐさま参上するスペシャリスト「執事」。貴族に代々仕える使用人のイメージだが、実は、れっきとした企業サービスだ。祖父の代から執事だというBell氏は「ご主人さまがペットを飼われていた場合、我々がペットのお散歩をしたり、オールマイティにご主人様の望まれること全般が仕事の範囲となっている」と述べた。
【映像】雇い主「イチャイチャしたい」と言われたときの執事の対応
執事の仕事は、帰宅のお出迎え、読み聞かせ、資産管理、仕事のスケジュール管理など、多種多様。中には、"無茶振り”とも言える仕事もあるそうだ。『ABEMA Prime』では、Bell氏に執事の仕事について話を聞いた。
■雇い主はどんな人?仕事内容、料金は?
どんな方が執事を利用しているのか。全日本執事協会3代目頭取のBell氏は「一般的には政治家の方や富裕層の方、資産家の方が多い。ただ最近は、普通の女性とか男性の方も自分の誕生日を祝ってほしいなど、スポットで依頼される方もいる」と答えた。
具体的な仕事内容については「基本的にはハウスワークという家のサポートや、秘書の代わりとしてビジネス的なサポートをしたりする。もちろんお家であれば資産管理もやらせていただくし、旅行サポートもする。他にはイベントのお手伝いなど、マルチに対応させていただく」と説明する。
執事にとって欠かせないスキルは「目配り、気配り、心配り」「責任感」「無理難題に応える適応力」「優れたコミュニケーション能力」で、最も重要なのは「雇い主への忠誠心」だという。Bell氏は「資格は特にないのでホスピタリティがあれば対応できる」と話す。
利用料金は「執事のランクと契約期間によって異なってくる」といい、「ハウススチュワード」は24時間(3人態勢)で1カ月600万円〜、「バトラー」は8時間で6万円〜、「フットマン」は3時間で2万4千円〜、と決まっている。
雇用形態について、Bell氏は「(全日本執事協会)所属の執事は30名ほどいるが、皆さん基本的には個人事業主としての契約で動いている」と述べた。
■今までの印象深い雇い主
執事の決まり事は、「雇い主との恋愛禁止」「執事名を使用する」「香水やフレグランスは禁止」「靴下は必ず黒の膝丈を着用」「違法なこと、性的サービスは受け付けない」。ドラマなどの影響で恋愛のイメージがあるが、Bell氏は「スキンシップも基本は限られている。マッサージであれば可能だ」と補足した。
今までの印象深い雇い主については「お金持ちの方はなんでも依頼される」といい、「例えば、自宅の露天風呂に有馬温泉のお湯を運んできてほしい。大阪のお客様だったが、言われたらタンクとトラックを用意して、翌日にはドライバーと一緒に現地に行って汲んできた」。
さらに「渋滞だから今からヘリをチャーターをして!」といったものや、「映画『ターミネーター』ごっこをするから穴掘って!」といった依頼も。"ターミネーターごっこ”は4時間かけて穴を掘るも「おぼっちゃまは友達とSwitchをやっていた」と振り返った。
どんな依頼も断れないのか。Bell氏は「法に反することはできないが、そうでなければ我々はしっかりと対応させていただく」と答える。仕事のモチベーションについては、「(お客様に)尽くしたいというところが大事だ。お客様のために我々が存在する」。
そもそも執事の仕事に就いた理由は、「私の祖父は執事をやっていたが、あまり喋らなかった。祖父が亡くなったときに100年物の懐中時計を見つけて、きれいに磨かせていただいた。これを見つけたとき、自分もこういう仕事に就いて、祖父の遺志を継ぎたいと思ったからだ」と語った。
(『ABEMA Prime』より)
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