国立感染症研究所などによりますと、今月15日までの1週間に全国およそ5000か所の医療機関から報告されたインフルエンザの患者の数は前の週よりおよそ5万人多い9万4259人でした。

このデータを元に推計した全国の患者の数はおよそ71万8000人と前の週の2倍以上となりました。

1医療機関あたりの患者の数は19.06人となっていて、すべての都道府県で前の週より増えました。

都道府県別では大分県が37.22人、福岡県が35.4人と「警報レベル」となる30人を超えました。

また「注意報レベル」の10人を超えたのは、鹿児島県の29人、愛媛県の28.9人、佐賀県の28.55人など40の都道府県に上っています。

都道府県別 1医療機関あたりの患者数

北海道 22.58
青森県  7.62
岩手県 18.70
宮城県 15.64
秋田県  7.44
山形県 10.14
福島県 16.80
茨城県 14.20
栃木県 11.72
群馬県 13.02
埼玉県 19.61
千葉県 24.49
東京都 17.36
神奈川県19.98
新潟県 10.34
富山県  4.81
石川県  7.40
福井県 10.95
山梨県 17.17
長野県 21.55
岐阜県 20.76
静岡県 11.47
愛知県 23.82
三重県 20.51
滋賀県 17.73
京都府 15.34
大阪府 21.79
兵庫県 19.38
奈良県 18.52
和歌山県10.79
鳥取県 21.97
島根県 20.82
岡山県 11.02
広島県 21.79
山口県 20.73
徳島県 13.35
香川県 14.53
愛媛県 28.90
高知県 12.84
福岡県 35.40
佐賀県 28.55
長崎県 16.73
熊本県 19.73
大分県 37.22
宮崎県 16.52
鹿児島県29.00
沖縄県  5.18

流行のピークは来年1月か 手洗いやマスク着用など対策を

日本感染症学会インフルエンザ委員会 委員長
倉敷中央病院 石田直副院長
「新型コロナが流行した数年間はインフルエンザに感染した人が少なかったため、ことしは免疫がなく感染しやすい人が多くいると思う。流行のピークは来年1月くらいになるとみられるので、手をよく洗うことやせきの症状がある人はマスクを着用するなどして対策をとってほしい。また、ワクチンは対策に有効なので、まだ受けていない人は接種を検討してほしい」

小児科ではインフルエンザ以外の感染症も

東京・港区の小児科クリニックではインフルエンザだけでなく感染性胃腸炎や溶連菌感染症の1種、「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」などの患者が増えているといいます。

このクリニックが運営している病児保育施設には朝8時半の受け入れ開始とともに病気の子どもを連れた親が次々と訪れました。

この施設で預かれるのは8人までですが20日はインフルエンザの子どもが3人、感染性胃腸炎の子どもが4人、それにかぜの症状の子どもが1人と予約で満員となっていて、キャンセルを待っている親もいるということです。

4歳の男の子を預けに訪れた40代の母親
「2日前に高熱が出てインフルエンザと診断されました。保育園ではインフルエンザだけでなくマイコプラズマなどいろんな感染症がはやっていて、いつ何に感染してもおかしくない状況です」

また、クリニックにも多くの患者が訪れ、午前中だけで4人がインフルエンザや溶連菌感染症などと診断されていました。

このうち溶連菌とアデノウイルスが陽性になった5歳の女の子の母親は「手洗いなどはしていますが、子どもだと対策に限度があるので、感染症はいつもリスクとして隣にあります。体調が悪くなるとクリスマスなどのイベントに参加できないこともありかわいそうです」と話していました。

「クリニックばんびぃに」 時田章史院長
「例年より早くさまざまな感染症が流行している印象だ。ことしの年末年始は休みが多く開いている医療機関が少なくなるが、この時期に感染症が広がると診察が受けられなかったり、薬が足りなくなったりと患者の治療ができなくなるおそれがある。つらい思いをしないためにも手洗いやマスクの着用、換気など基本的な感染対策を徹底して感染を予防してほしい」

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