全国・国公私立の小中学生を対象にした体力調査で中学校男子の体力合計点がコロナ前の水準に回復しました。
また、運動が好きと答えた中学校男子の割合が過去最高となっています。
スポーツ庁の全国体力・運動能力調査は、国公私立の小学校5年生と中学校2年生を対象に握力や上体起こし、50メートル走などの実技テスト8項目のほか、運動に対する意識や生活習慣などを質問する調査です。
2024年度の調査結果では、小学校の男子の体力合計点は80点満点で52.5点で昨年度からほぼ横ばい、小学校女子は53.9点で低下傾向が続いています。
中学校男子は41.7点でコロナ前の水準に回復した一方中学校女子は47.2点で、ほぼ横ばいでした。
中学校男子では長座体前屈や反復横とび、20メートルシャトルランなどの記録が向上していることがコロナ前の水準に回復した大きな要因としています。
一方、握力には課題があるとし、力を出し切る前にやめてしまうなど全力を出す機会が減っていると指摘しています。
また、全体的に中学生に比べると小学生で改善がみられず、小学校中期までの生活習慣が確立される時期がコロナ禍だったためコロナで運動などを制限された影響が中学生よりも出てていてそのまま残っている可能性があるとしています。
一週間の総運動時間が7時間以上の割合は小学校で男女とも増加、中学校男子は横ばい、中学校女子は減少していて、中学校女子では0分の割合が2割弱を占めています。
また、運動に対する意識を調べたところ「運動は好き」と答えた児童生徒は小中学校の男女ともに増加し中学校男子で過去最高、「体育・保健体育は楽しい」と答えた児童生徒は小中学校の男女ともに増加し小中学校の男子で過去最高となっています。
運動時間が長く、運動が好きと回答した児童生徒ほど体力合計点が高くなる傾向がありスポーツ庁は「生活全体を通じて少しずつでも運動機会を確保し、運動好きな子供や日常から運動に親しむ子供を増やすことを目指して、運動意欲を引き出す授業づくりなど、学校・家庭・地域における様々な取組を支援し、子供の運動習慣の形成や体力向上の取組を推進する」としています。
また、学習以外でテレビやスマートフォン、ゲーム機などの画面の視聴時間が3時間以上の割合は小中学校の男女ともに増加し、4割前後になっています。
スポーツ庁は「近年生活様式が大きく変化して、社会全体でデジタル化が急速に進んだことによってタブレットやスマートフォンに触れる時間が増えている」とした上で「スマートフォンで動画みたり、ゲームをしたりする時間の多くは身体を動かしていない時間と想定されるので時間が長くなれば何らか体力に影響がある」と警戒感を示しています。
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