袴田巌さん(左)と姉のひで子さん=10月、静岡市

 1966年の静岡県一家4人殺害事件で再審無罪が確定した袴田巌さん(88)の姉ひで子さん(91)と弁護士の計2人が、袴田さんの成年後見人に選任されたことが19日、関係者への取材で分かった。後見人となった弁護士が来年1月にも、逮捕から釈放まで47年以上の身体拘束に対する補償金約2億4千万円を静岡地裁に請求する方針。

 袴田さんは拘禁症状が残り意思疎通が困難なため、ひで子さんらが無罪判決確定後、静岡家裁浜松支部に後見開始の審判を申し立て、今月16日付で2人が後見人に選任された。2週間以内に不服申し立てがなければ確定する。

 袴田さんは66年8月18日に逮捕され、2014年3月27日に釈放されるまでの約47年7カ月、拘束された。刑事補償法は無罪が確定した場合、1日当たり千~1万2500円を支払うと規定。関係者によると、最大額とともに、裁判の費用補償も併せて請求する予定。金額は拘束期間や得られるはずだった利益などを考慮し、裁判所が決める。

 袴田さんは今年9月26日、静岡地裁で再審無罪判決が言い渡された。

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