11年前の2013年12月19日、「王将フードサービス」の京都市の本社前で、社長だった大東※隆行さん(当時72)が拳銃で撃たれて殺害された事件では、福岡県の特定危険指定暴力団・工藤会系の暴力団幹部、田中幸雄 被告(58)が銃撃の実行役として2022年10月に逮捕され、殺人と銃刀法違反の罪で起訴されています。
現場では19日、花束や飲み物などが供えられ、事件が起きた早朝には静かに手を合わせる人の姿もありました。
田中被告の裁判は「工藤会の組員らが裁判員に危害を加えるおそれがある」などとして裁判員裁判の対象から除外され、裁判官だけで審理することになりましたが、初公判の日程は決まっていません。
関係者によりますと、被告はこれまでに「自分はやっていない」などと話し、無罪を主張する方針だということでこの裁判では犯人性が争われる見通しです。
一方、捜査関係者によりますと、被告と大東さんの間に接点は確認されていないということで、警察は指示した人物がいるとみて全容解明に向けた捜査を続けています。
※「隆」の「生」の上に「一」
次女 真弓さん「毎日を苦しみながら生きている」
現場では、午前7時すぎに亡くなった大東さんの次女の真弓さんが訪れ、花を手向けました。
真弓さんは「11年がたっても、寂しいという気持ちは何も変わりません。父とはたくさんの思い出があり、今でも毎日のように父の笑顔を思い出します。会いたい、帰ってきてほしいと思いながら花を手向けました」と涙を流しながら話していました。
そして、今後の裁判については、「毎日、毎日を苦しみながら生きていて、まだそんなことを考えられません」と話していました。
長男 剛志さん “事件の風化 寂しい 真相究明を”
亡くなった大東さんの長男の剛志さんは「父や事件のことが忘れられ、風化していくことにとても寂しく、不安な思いをする日が以前に比べて多くなりました。優しい笑顔、大きな笑い声が毎日のように突然脳裏に強くよみがえり、頭が真っ白になり、急に涙があふれ、何も手につけられない状態に陥ります。父を返して欲しいです。『なぜ命まで奪う必要があったのか』、事件の真相について、今後の裁判や警察の捜査で明らかにしてもらいたいと強く望んでいます」とコメントしています。
王将フードサービス「捜査について 引き続き全面的に協力」
「王将フードサービス」は「一刻も早い事件の全容解明を願い、捜査について引き続き全面的に協力するとともに、大東前社長の遺志を継いで、これまで以上にお客様に喜んでいただけるお店づくりに精進していきます」とコメントしています。
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