完成した「奥能登絶景海道カレンダー」2025年版を手にする高畠和子さん=12日、石川県珠洲市

 珠洲の絶景をいつまでも手元に―。石川県珠洲市の名所や伝統文化を伝える「奥能登絶景海道カレンダー」2025年版が完成した。掲載写真はこれまで毎年募集していたが、今回は能登半島地震の被災を受け、過去の写真から厳選。「保存版」の意味合いを込めた。市内のほか、全国の道の駅やオンラインで販売している。  市や地元の商工会議所などで構成する「奥能登岬みちづくり協議会」が制作し、各月に写真1枚を掲載。軍艦のような見附島と朝日(1月)、能登半島最先端の禄剛埼灯台と桜(4月)、「宝立七夕キリコまつり」(8月)、農耕儀礼「あえのこと」(12月)など、保存していた写真の中から「秀作」を選び抜いた。  元日の地震や9月の豪雨による被災を伝えるページも設け、「度重なる大災害に心が折れる思いですが、今できることに全力で取り組もうと気力を振り絞っています」と記した。  「今年は作れないと思ったが、できた時は涙が出るほどうれしかった」と協議会の高畠和子さん(73)。1部1600円で、うち500円が復興支援の寄付に充てられる。

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